1章1節スローライフな日々
第4話猫耳NPCが営業に来た
501回目攻略…3日目。
青い海と空、カモメが鳴いてる――。
さざ波が響き、白い砂浜は波が押し寄せる。
…今いる海岸を作り変えてみたんだ。
領地開発ってこんな事も可能なんだな。
多少の海風を肌で受ける。
ちょっと温めの生暖かさだ。
始まりの町を含む海沿いまでが俺の領地か。
一見なんも変哲もない範囲だけど、下手したらこれ一層全体なのかもな……?
だって説明がバグって読めないからな。
―――それに、あんまり実感ないよなぁ。
領地の主、その役目務まるのかってな。
半分不安で半分期待な俺がいる。
……っと、景色は草原と海……崖の上を歩いてるから高台かな。
「こんなゆっくり見たことなかったな」
「じっくりと?」
「女神ちゃんを…な」
「な、何言ってるのバカ!」
「さてと、これからどうするか」
「ゆっくりと攻略すればいいんじゃない?」
ま、そうなんだけどな…。
今はスローライフ満喫だもんな。
とはいえ、何をしたらいいのか……。
「ちょっと海に行く」
「あ、あぁ…」
にしても、女神ちゃん本当にNPCかよ?
…妙に表情が豊かで、自発的だし。
ちょっと驚いちゃったな。
システムログ
女神ちゃんがサメッティに襲われた。
女神ちゃんはショートソードを投げた。
会心の一撃、10000000ダメージ。
サメッティはさめはだをドロップした。
数値デカすぎるだろ!?
無茶苦茶強いじゃん…。
俺はこれをどう表現したらいいか考えた結果……可愛いは正義の答えに辿り着いた。
「この辺によくいるんだよね」
「つぶらな瞳のサメ…」
「サメッティだよ!」
「なぜそこを強調するんだよ?」
「可愛いから」
「な、なるほど…」
女神ちゃん妙に怒ってるが……
サメッティはこの街のマスコットだもんな。
「行くぞ」
「あ、待ってよー!」
女神ちゃんと共に向かったのは素朴な一軒家。二階建ての白い壁が印象的だった。
これが領土の運営拠点―――
まぁ外見はしょうがないな。
「入ろー」
「勝手に行くなよ…」
ドアを開けて入ると、視界に飛び込むのは…
オーシャンビュー。
一枚のガラス窓、天井は高くて驚きだ。
ウィンドを開いて確認すると、
――2階は私生活が出来るように作られてる。
「作り込みがえぐいな…」
「暮らせるんだし、いいじゃん」
「まぁそれはそうだが…」
広すぎるんだよな…
まぁ、メンバー集まれば楽しめそうだな。
一階はギルドに出来るみたいだしな。
にしても、女神ちゃんは何故か…
ニヤついてるんだろうな?
「順調…あとミスなければ…“今回も”――」
「女神ちゃん?」
「ひゃいっ!?」
「何笑ってるんだよ」
「な、なんでもないから!」
なんか無理やり部屋から追い出された。
なんだったんだよ…?
まぁいいや、領地マップを開いた。
この辺り一帯は…NPC住んでたはずだな。
…仲間を引き入れたいところだな。
――トントン。
ん? 誰か来る予定あったっけ?
…俺はゆっくりとドアを開けた。
「どちら様?」
「あれ? 男の人…」
「期待外れでしたね。さようなら」
「待って!? 閉めないで!!」
「なんの用なんだよ?」
…猫耳の少女を見ると緑だった。
普通のNPCはカーソルが緑なんだよなぁ。
やはり、女神ちゃんだけ変だな…。
「め、女神ちゃんいる?」
「いるよ。部屋に閉じこもってるけどな」
「あれ? ニート極めるのかな」
自分からここに来たのか…この子。
んー? どっかで会ったかな…?
……思い出せないな。やっぱり。
それよりもさ、この2人の関係性知りたい。
仲良過ぎるからより知りたいわけですが…。
「やっぱり来たんだ!」
「うん!」
「広いでしょ?」
「なんか、新婚さんみたく見えるよ」
「ふぇ!? ち、違うから!」
「そうなんだね」
入る隙って全くないんだよな。
まぁ、ニヤ顔は…この子と会うためか。
「それより…女神ちゃん!」
「ん?」
「彼が……女神ちゃんの……マスター!?」
「そうなるかな」
「にゃんと!?」
この二人の妙な会話を聞いていたけど…
“マスター”ってなんだろう。
まぁそれより……
俺はこの2人の笑顔を守りたいかな。
「氷華が私と婚約する!」
「えー? 無理だよ」
「なんで!?」
「記憶ないんだよ? 赤ちゃんだよ」
「それが可愛いんだよ!!」
なんつー会話してんだ!?
てか、女神ちゃん最上位NPCより
――人間味強いな。
猫耳の子より反応や仕草…
言葉まで全部人間に近い。
なんなんだろうな…この”違和感”――。
「まてまてー」
「待たないよー」
「捕まえた!」
「にゃっは!? しっぽ触らないでよ!!」
軽くため息を吐いてウィンドを俺は閉じた。
ゆっくりと猫耳少女に目を向ける。
――ティムって表示されてるな。
そして、女神ちゃんの視線が鋭い。
ちょっと妬いてる感じのじとー目だ。
「猫派ですか?」
「かも?」
「私も猫耳をつける!」
「やめてくれ、俺の理性が消える」
「お兄さん、変態だった?」
「なんでそうなるんだよ!?」
俺は改めてティムを見た。
少し緊張してる顔だな…。
「それで、なんの要件?」
「あ、えっとね、私達のギルドふわもふに来て欲しいんだ」
なんか、ゆるそうなギルド名だなぁ。
ギルドどんな感じか知りたくなる…
初めてのNPCギルドだしね。
「氷華行こうー」
「だな。ティム、案内してくれ」
「はいよー、付いてきて」
――こうして、俺は初めてNPCだけのギルドに足を踏み入れることになった。
…楽しみだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます