自分の痛み、他人の痛み。理解も証明もできなくたって、そこにある。

これぞノンフィクションエッセイの理想と言わせて頂きたい。

「痛み」を通じた作者様自身の七転八倒と試行錯誤は、読んでいてこちらの心も痛みます。しかし同時に、自分だけではないという安らぎも頂きました。まるで手術のようです。
作者様が掴み取り、言葉として共有した学びこそが、どこかの誰かの「痛み」を証明し癒すのでしょう。私がそうだったように。

病や怪我の治療はできても、痛みの治療なんてありませんけれど。この経験こそ「痛みの治療」に最も近いものではありませんか。

心身ともに、痛みを知らない人はほぼ居ないかと思います。万人に通ずるテーマであり、唯一無二の歴史と教訓が詰まった、珠玉のノンフィクションエッセイです。

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