人間VS吸血鬼の戦争を主軸とした、群像劇作品です。人間側と吸血鬼側の双方に「主人公」といえる人物は存在するものの、本作においては「誰もが主人公」であると断言できるほど、どの登場人物も魅力的に描かれています。
ちなみに私の一番のお気に入りは、「ベルドリック」という吸血鬼側の人物ですね。「推し」を見つけ、彼らの活躍を追いかけてみるのも、本作の醍醐味の一つ。
また、こちらの作者さまは、すでに本格的な古典風ハイファンタジー群像劇を完結されてもおられる、確かな実力の持ち主です。そんな作者さまが手がけられた本作も、群像劇特有の「読みづらさ」や「難解さ」を感じることなく、どんどん読み進めることができるでしょう。「重厚さ」と「読みやすさ」という、二律背反を見事に調和させた、完成度の高い作品です。みなさまも是非ご一読を。
人間VS吸血鬼。
この激アツ構図を土台とする、種族の生存と誇りを賭けた本格戦記です。
重苦しく耽美的なダークファンタジーに、血なまぐさい現実味が同居しているのがたまりません!!
本格的かつ正統派、固めの作風でありつつ、その枠にはめきれない新鮮な面白さを感じます。
ファンタジーならではの胸踊る戦闘、リアリティのある軍略、ひどく身近ながら痺れる権力争い、真に迫る感情……。
全てが物語のパズルとなり、1つの国を奪い合う歴史のページとなっていきます。
ほぼ人の姿ながら絶対的に異種族なのが本作の吸血鬼です。異能持ちで、圧倒的に強い。
しかし人間も負けません。技術水準、個体数、特殊能力を持つ存在。
双方に通ずるのは、社会と生活、血の通った心、何よりも誇りがあること。
だからこそ、命を散らし戦い続けるのです。
『種族』としての歴史・内政・生態・特殊能力。
『個』としての血縁・感情・関係性・力。
そして『英雄』の所以と背負うもの。
これらが絡み合う様は、読み応え抜群です。
レビュー時点全17話、まだ序盤かと思われますが、既に見どころが多くハマってます。これからが楽しみです。
古参を名乗らせてもらいますぜ!!