愛があれば大丈夫。
- ★★★ Excellent!!!
なんでしょうね……こういう作品、ありそうでなかったですよね。
冒頭二行で大パニックですよ。
日本人が「どい」しか発音できなくなっちゃったんですって。
しかもそれは、日本人だけじゃなく、日本語が喋れる海外の方も、果ては人間じゃなく機械音声からも、猫も杓子も日本語を喋るときは、「どい」以外発音できなくなってしまいました。
アナウンサー、政治家、とかは生き残れるかも知れませんな。英語が喋れれば。
逆に噺家や漫才師、歌手、俳優なんかは地獄ですよ?
歌手は洋楽歌えばいいのか。噺家と漫才師は詰みましたね。
でね、ここからが個人的にびっくりしたんですが、
じゃあ日本政府はどうしたかって、
どい に
音階をつけることによって、例えば あ→C い→D う→E え→F みたいな感じて、
どい 音階で乗り切ろうとしたんですって無茶だ!!!!
どっこいそこは日本の底力。
見事日本人は一年でいわゆる 相対音感を身につけて、どい のみによるコミュニケーションを身につけました!
はい! ミュージカル俳優は詰みました!! あと、読唇術も意味がなくなりました。
そうなるとどうなるか?
「土井」という苗字の方が、それだけで優遇され、好意の目でいられるようになったのだそうです。
土井さんは戸惑うでしょうな。好きな理由が「どいであるから」それだけですから。
しかし、この物語が好きになってしまったのはよりにもよって「土井」さん!!
俺だけは違うんだ! 君がどいだから好きなわけじゃない! 君が君だから好きなんだ!
ロミオって何!? バラを違う名前で呼んだって美しい香りはそのまま!
はてさて、この主人公の恋の行方はどうなる!?
……あ、ちなみに主人公の名前はほんと最後の方でわかります。
ご一読を。