アンヤ・メメ
夕方に咲いて朝には散った。
黒い種を残して。
花を育てるのが好きだった。特に病院の庭に咲いていた黄色と桃色の花が好きだった。夕方に咲いては朝には閉ざした。カラフルな色は私に異国の風を運んだ。この薄暗いコンクリートに囲まれたこの地に強く根付くそれは何年も何十年もこの土地を見ていた。
私もその何十年間の記憶の1つになることができるから。怖いものはなかった。笑顔を絶やさないことがあの花になれる唯一の方法だって思っていたから。なんて夢を見てるのを許してほしいな。
ただ漠然と窓から外を眺めてると、涙が少し溢れた。
深く深く、根付くいたらいいな。
それが、広がればいいな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます