第3話 変わる日常

その翌日、私は何かが変わった気がした。

五年後の私の言葉が、心に残っていたのだ。

「人と話してください」

その言葉を思い出した時、職場の同僚に話しかけた。

「一緒にランチしませんか?」

その同僚は、驚いた表情をした。

「いいですか?」

「はい」

その日から、何かが動き始めた。

昼食を同僚と一緒に取るようになった。

仕事の話をするようになった。

やがて、プライベートの話もするようになった。

友人ができた。

複数できた。

その友人たちと、飲みに行くようになった。

笑うようになった。

恋もした。

失敗もした。

でも、その全ては、五年前より、ずっと充実していた。

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