第2話
第一話と第2話は過去に書いてあったものを乗っけただけです。中間はなかったので折々に書き足して補完するという
変則的な連載を試みます
自分で欲しいものの手配は何も言わないでもじぶんでしっかり済ませてるんだからこっちは楽なもんだよ。
でも何を考えてるかはいってくれなきゃわかんないんだけどな。
「やってくれましたね」
いつの間にか軍人さんがいた。悔しそうなんだか楽しそうなんだか、相変わらず何を考えているのかさっぱりわからない顔をして、ベルが飛び立っていった空を見ている。
「ねえ軍人さん」
「はい、なんでしょうリトルミス?」
「私を雇ってくれない?」
お、珍しく今度は判る。あれはびっくりしてる顔だ。
「リトルミス、貴女はなかなか肝の据わったことを言いますね。普通この状況でそれを言い出しますか?」
「前時代の技術を扱える技術者は貴重なんでしょ? それだったらお買い得だと思うわよ。なにせ前時代の技術のカタマリを独力でいじれて、しかも機能するレベルまで修復しちゃえるエンジニアが就職希望なんだから」
「まあ……確かに実績という点においては比類無いですが……」
「技術開発部門とやらは今の時代で一番進んでる開発機関だって自分で言ってたじゃない。ベルを手に入れられなくっても、すぐに私が同じくらいのレベルの開発をしてみせる。どう?」
軍人さんはにっと笑って見せた。嬉しくて笑ってるのか馬鹿にして嗤ってんのか。とにかく満足気に一度うなずくと言った。
「そういうことでしたら、お迎えいたしましょう。なぁに上の者どもには私から今の話をすればいいでしょう。天才が手を貸してくれる、ってね」
眼鏡の奥の瞳がさらにさらに細い。右の眉だけはね上げて、左の唇だけ釣り上げて、なんだかもうスゴく怖い。
だけどそう、もう私は決めたんだ。私はいつか絶対にベルに追いつく。宇宙まで、ベルの往く先まで行ける船を造ってまたもう一度ベルに会うんだ。
そのためなら手段なんか選んでられない。目の前にチャンスがあるならギヤのからみつくチェーンみたいに食らいついて行ってやる。
ベル 紫以上 @o_vio
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