第13話 宝の山4

 二人は移動した。山道である。道路は舗装されているが、その両側は林となっていた。

 トラックが停まる。

そこには、いろいろな物が捨てられていた。

「えっ!?

 ほんまかいな!?」

たくやはゴルフのドライバーを拾った。そんなに

古くない。まだ使える代物だ。

「人間、捨てるとなったら

 捨てるもんや。」

 他にもアイアンも拾ったし、将棋の駒、

チェス盤、ドンジャラ、いろいろあった。

 一日かけて各所を回り、戻る。

「おお!

 これは大漁でんな!」

だん吉社長は、手を叩いて喜んだ。早速査定に

入る。手慣れたもので、30分ほどで終わった。

「いくらになりましたか?」

「うん!

 全部で1億や。

 しかし銅さん。

 よう集めたなぁ。」

億田は笑みを見せ――

「金(かね)に換えられるもんは、

 すべて換える。

 それが億田金融ですわ。」

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