第6話 未開
私の人生には蓋が閉まっている。
表には出せないものや出したくないもの、はたまた、何もないのに蓋をしているのかもしれない。
あぁ、なんと弱いのだろうか。
動くことが怖く、新しいものを開拓するのも怖い。そのためか独りでぽつぽつと文章を書いている日々を送っている。
誰かに読まれるわけでもないかもしれない。
このままなんの花も咲かずに枯れてしまうかもしれない。
このまま全部終わったらなんて。
このまま全部終わったらなんて。
はやく消えてしまいたくなる。
仕事なんて捨てて趣味も人間関係も捨ててこのまま身を投げてしまおうとすら軽い気持ちで思ってしまうほど、私は前向きに生きられていないのだろう。
誰かに何を思われてもどう見られても動機なんてのは大きい物が襲ってくるのではなく、軽い物の積み重ねと思い切りにすぎないことが私にもわからない私の身に降りかかった未開の地を耕すことを恐れた末路なのだ。
仕事もうまくは出来ないし心は弱く、手は震えて足も震えて、緊張と圧で押しつぶされそうだ。
こんな私を誰か拾えたり、救ってくれるならどれだけ楽か。そんなことがないから私自身で救う言葉を拾っているのだ。
蓋が開かないこの人生に蓋を開けるようなお金も仕事も舞い降りないし、はやくこのまま消えれたらいいのだろう。
また重しはどいてはくれない。
あぁ、私は弱い。
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