第7話 見たい

私には見たい景色がある。

これはただの日記に過ぎないが、見たい景色があることを記したくなった。


ある日の小さい頃、テレビしか娯楽がなかったときに海外の料理番組で吹き替えの日本語で話しながら作っていたケーキがあった。

そのケーキをオーストリアにあるボンダイ•ビーチで呑気に真昼間の太陽のもとで食べていた。あのワンシーンがどうしても脳にこびりついて剥がれることがない。

エメラルドグリーンの空の青を反射したとは思えない透き通った海にサーフィンをする人たちに日焼けのためにオイルを塗って寝転ぶ人たち、はたまた海が見える少し遠くの家で海を見ながら、海に想いを馳せながら料理をする人たち、あの空間にはその全員がワンシーンのキャラクターとして成り立つ景色があった。

美しかった。

あの景色を味わうために海外に行ってみたいものだ。と何度も思った。

その一歩はなかなか踏み出せたりしないが、小説を書いているうちにそのことを思い出して、今度突拍子もないし行ってみようかな。

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