幕間


 夏の終わり、青が曇る。

 眩しかった光が静かに色を失い、

 残されたのは、胸の奥で疼く“名前のない感情”だけ。


 出会いは偶然だった。

 でも、心が動いた瞬間から――もう偶然じゃなくなった。


 笑顔の裏で、少しずつ重なっていく影。

 その影の先に、彼の“過去”が横たわっている。


 かつて舞台の上で輝いていた青年。

 そして、彼に惹かれていく少年。

 それぞれの青が交わり、やがて曇り、滲み始める。


 ――けれど、曇り空の向こうにも、

 きっと、もう一度“青”は還ってくる。


 これは、“青”をめぐるふたりの物語。

 退屈な日常を変えた光が、やがて彼らをどこへ導くのか。


 次章へ続く。

 

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