第5節 〜〜〜神からの贈り物〜〜〜
人々がざわざわとざわめき始める。当然だ、さっきまで警官を圧倒し、自分達を殺そうとしてきたワイバーン達がなんの音沙汰も無く、自分たちの目の前に落ちてきたのだから。
後ろから、2つの足音がコツッコツッと聞こえてくる。
後ろを振り返ったその時、目の前には一人の男性ともう一人女性がいた。
男性の方は俺より身長が高い。だいたい180cmくらいだろうか。
女性の方は俺より少し身長が低いくらいだろうか。ただ、赤髪なのが特徴的だ。
一体誰なのか聞くために口を開こうとしたその時
「怪我人はいますか?、また他にもあのような生物は見かけませんでしたか?」
男の方が口を開いた。女の方は警察官の死体を見て吐きそうになっている。
「い、いえ…自分が把握してる限りは…」
「そうですか、それは良かった。私は臨時幻獣特科公安課一班隊長、
「とりあえず、ここは危ない。詳しい事は後で説明するからこの人混みを整えるのを手伝ってくれないか」
命の恩人を目の前にして誰が断れようか。
俺達3人はすぐさま首を縦に振った。
とりあえず、整列が完了した。あの安住さんが言うには今からは東京から避難し、函館、横浜、神戸、鹿児島にあるハンターズ直属の避難所とやらに連れて行かれるらしい。
「しかし、これだけの人数をどうやって連れて行くのは流石に厳しいのでは?」
輸送用ヘリを用意しても無理だ。だいたい80人はいるだろう。
「私達が今からする事も全て後程、説明しますので今はただ私達に従ってください」
一体何をするつもりなのだろうかと3人で顔を見合わせようとした時。
「ヨネカ!最後の手順だ」
「りょうかーい」
腑抜けた声で返事をする。
と、その時2人が急に目を閉じ、何かに集中してる様子だった。何をしているのだろうか、そう思っていると。俺達3人と何人かの周りを神々しい円が囲んでいる。
「ビュゥンッ」
瞬きをして目を開けたら既に俺達は室内にいた。
室内は明るく、壁も綺麗で、植物もあった。
あぁ、いつものような光景だ。少し安堵した。
しかし、今のは一体なんなんだ?いわゆる、テレポートというやつか?
「一体、何がどうなってるの…」
やっとサクナが口を開いた。
「俺にも到底分からない…こんなの非現実的すぎる…」
石井は顔を青ざめたまま放心している。
色々、頭を整理していると、2人の男性がこちらにやって来た。
一人は青髪、もう一人は白髮。
いや、いつの間に日本はこんな髪染め大国になってんだと思ったがそれ以上は考えないようにした。
「俺はハンターズ公安課2班隊長の渡辺ホトカや」
青髪の方がそう言い、それに続いて白髪の方が
「んで、僕が同じく2班副隊長の
「ま、そもそも人数おらんから勝手に隊長とか言ってるだけやけどな」
そう笑いながら言う。なぜこんな状況で笑えるのか分からず、正直言ってこの2人の方が怖く感じたが、いきなり殺しにかかってくるわけではないようだ。
「とりあえず、今の状況を話そか」
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