第五章

 悠は朝からTikTokで女装男子のメイク動画で清楚系メイクの勉強をしている。二重を作り、涙袋を作っている。傍で地雷系だよな……とは思いながらもスマホで天気を確認していた叶はそのメイクを眺めていた。悠はキャミソールを着ながらパッドを入れて、肉をお腹から背中から寄せていくとBくらいの胸を作っていく。悠は女装が趣味でどんどん女の子のような恰好をしていくのに、恋愛対象は叶のような男性だ。いや、告白しに来た相手がたまたま叶なだけで、出会っていなければ悠は女性と付き合っていた可能性もある。

 「叶はメンヘラ男子とかしてみない?」

 「いや、俺フツメンだぜ」

 「髪短いし、ピアスで耳飾れたらメンヘラ男子になりそうだよ。メイクしてみる?」

 「頼む」

 そう言って叶は悠にメイクを頼んだ。初めてメイク下地を塗られ白すぎるファンデーションを塗っていく。アイラインで釣り目に仕上げていき、涙袋を作っていく。そうやって出来たメンヘラメイクは思いのほか良かった。初めてメイクしたが、この変身願望というのだろうか、普段と違う自分がいて別人になれた感じがして楽しい。

 「これは……」

 「それとこの服で完成」

 それは袖が膨らんでいて、ジッパーで開けられるタイプで、今もあえて半分くらい開けてある。そこから腕が見える。人によってはここにタトゥーを入れたりするのも可愛い。

 「めっちゃいいなこれ!」

 「あう、そのイメージだともう少しクール系で言って欲しいんだけど」

 「そう?」

 「メンヘラ男子でテンション高い人いたイメージない」

 「わかった」

 悠がそう言うならイメージ上だが少し低い声にして、ダウナー系で話してみたらツボに入ったのか急にテンション上がっていた。

 「ああ、好き! 早くピアス飾りたい!」

 「お前、ずっとピアスピアス言ってるな」

 「え」

 そう言いながら叶は悠に迫る。

 耳のピアスに触れながら舐める。

 「ピアスが好きなのか」

 「ううう、好きだけどそうじゃなくって……」

 「何が違うんだ」

 そう言いながら叶は舌を耳の中に入れる。

 左手は悠のズボンの中に入れる。

 アソコは少し膨らんでいた。

 「まって、この服お気に入りだから脱ぐね」

 そう言いながら汚したくない悠は服を脱ぎ始めるが、そのまま叶は押し倒した。

 驚く悠は真っ直ぐ叶を見る。

 そのまま悠を犯していく。

 「待って、汚しちゃうから」

 タイトなジーンズを自分で脱ごうとするのを阻止するように叶は犯していく。

 左手で手コキしていくと手の中に温かなとろみのある液体が溢れた。あの匂いがする温かな液体が手に溢れて、見ると白い精液が付いていた。それを舐めようとすると慌てて悠はテッシュで叶の手を拭く。

 その必死さが可愛くてアソコが勃起した。

 「好きな人の精液飲みたいと思うのは普通だろ?」

 メンヘラ男子の設定で低い声のダウナー系で、叶は言う。

 「だって……恥ずかしィ」

 そう小声で言う。

 構わず叶は悠の顔に自分の顔を近づける。

 「悠の全部が欲しい。精液も唾液も血液も、爪も皮膚も」

 「叶って結構カニバリズムだね」

 叶は悠の首に噛みつく。

 皮膚が破れて熱い痛みと共に血が飲まれていくみたいで、傷から叶の舌が舐めていくのがわかる。

 それが食べられているみたいで興奮した。

 叶の一部になりたい、叶になりたい、叶に食べられたい。食べて欲しい。

 いつの間にか叶に抱き着く。



 「犯して!」



 叶は悠の服を脱がせて噛みつく。

 胸に首に胸に。

 ふとももの付け根も噛みつかれた。身体じゅうキスマが付けられ、中には青あざになっているものもある。それが嬉しくって、特に太もものキスマが多くって、そんなところ叶にしか見せないからかけがえのないもののように思えた。

 セックスもフェラから始まって叶のアソコも舐めた。

 ずっとずっと休日を叶と過ごした。

 裸で抱き合いながらセックスをする。叶のアソコが中で感じて、このまま妊娠したい気持ちになった。叶の子供が欲しいと思った。

 気が付くと、夜になっていた。ずっとセックスをして身体じゅうにキスマークがたくさんついて、愛されている身体になったのが嬉しかった。

 「一緒にお風呂入ろ」

 そう言ってお風呂に入った。

 アソコから叶の精液が流れていく。エッチな匂いがして嬉しかった。

 お風呂では叶に身体を洗われた。自分で洗えるのに、洗おうとしたら拒否られた。自分の身体を洗うことも叶じゃないとしちゃだめみたいで、この独占欲が嬉しかった。身体を洗うことも、食べることも、セックスすることも、生きることも叶に管理されたい。

 「叶大好き……」

 「俺もだよ、大好きだ。悠」

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