第四章
渋谷でデートした。
悠はお気に入りのピアスを選びながら叶に似合うか聞いていた。
「叶もピアス開けたら?」
「俺が?」
「うん、似合いそう」
そう言いながら一番ゲージが小さいピアスを選んだ。
ピアスは最初小さいサイズからゆっくりと時間をかけて開ける。そこから次第にゲージを上げていって穴を拡張する。いきなり大きなサイズでは皮膚が裂けてしまって、病院案件になってしまうから無理は禁物だ。適度に消毒しないと膿むから、そしたらせっかく開けたピアスも外して病院に行かないといけない。せっかくの楽しいファッションも悲しいものにしないためにも消毒は必要だ。あと保冷材で冷やすと痛みもやわらぐから試してみるといい。あと、開け方もアンピ(安全ピン)と消しゴムを切って耳の反対側に押し当てて、アンピが刺した針を消しゴムで受け止めるってやり方があるけど、このやり方はあまりやる人がいない。ヤンキーぐらいかな。
本当はニードルというピアスゲージより少し大きめのサイズの針があって、針のうしろにピアスを当てて耳に刺す。そしてニードルが貫通してピアスが残ったら、そのピアスを固定するようにピアスの反対側にボール(ピアスの部品)を回して固定する。ネジと同じ。そうするとほら可愛いピアスの出来上がり。
ピアスは着ける場所でもだいぶ変わって。
例えば口に牙みたいなピアスをしたいとしたらまずUの字のピアスを用意して、
それをあらかじめ拡張したい……じゃあ、上唇にしようか。そこに左右二つの穴をあけていたとして、すでに拡張済みだとして、そこにUの字のピアスに牙が付いているデザインにするよ。それを片方の穴から入れて、入れながらカーブさせて反対側に通すと、ほら牙ピアスの出来上がり! ハロウィンとかめっちゃ可愛いと思う。爪も黒くネイルしたらそれっぽいし、地雷メイクしたらなお良い。
悠の界隈じゃ男の娘といった女の子のような恰好が人気だ。
それと同時に無性別、ノンセクシャル、ジェンダーレス。呼ばれ方は色々あるが悠はそういう界隈が好きで女装や中性的服装をよくする。胸はスポブラでもなんでも用意して、適当な時はタオルを使うのだが、形も良くしたいときはパッドを入れて、そこに背中やお腹の肉を持ってきて盛ると自然なおっぱいのようになる。ショート動画で男の娘なのに胸があるのはたぶんこういう事。
近くの公園でピアスの開通式をした。
マツキヨで消毒液とガーゼを買った。よく洗って消毒してピアスを開ける。ピアッサーで開ける事にしたのは勢いがあって思いっきれるからだ。
「あい」
そう言って悠は開ける。
「いて」
「はい出来た」
「なんか合図しろよ」
「こういうのは思いっきり」
見たピアスはまだファーストピアスだから透明で味気ない。
「安定したら小さいの入れようね」
そう言ってシンプルだが黒いピアスを見せる。
まだ台紙に繋がっていて早く着けたい。
「なんか良いものだなお揃いのピアスって」
「でしょ? ピアスは可愛いんだ」
子供の頃、ピアスタトゥーを入れたいと思った。
いわゆる中二病だったがその頃は指輪とか一時期集めていた。だがこうやって身体の一部になり飾れるピアスは良いものだ。
「叶もさ、男の娘ファッションしないの?」
「しないな」
「なんで」
「なんでって、別に女になりたいわけじゃないからな」
「僕だって女の子になりたいわけじゃないよ。男の子から可愛いって言われるのが楽しいだけで、心も身体も男だよ」
「じゃあ、なんで俺を?」
「好きを共有したいのは当然でしょ?」
「やっぱりお前は女だよ」
「え」
「本当の女ってわけじゃない、そうやって好きを共有するってところが女っぽい」
そう言いながら叶はキスをした。
キスをしながら胸を触る。
「胸ないよ……」
「ああ……」
そう言いながら叶は首に噛みつく。
「……家に行きたい」
「行くか」
叶の家で部屋でベッドで悠は制服のまま押し倒された。
シャツのボタンを外して胸のない身体があらわになる。叶は制服を脱いで悠の乳首を舐める。くすぐったいような気持ちいいような感覚に悠は顔をそらす。そしたら叶はキスをした。「目を離すな」そう言うように叶は見つめる。
「何か当たっているぞ」
「言わないで……」
勃起したアソコが叶に当たっている。
叶は悠のアソコに触れてズボンを脱がす。自然の悠は腰を浮かせて脱がせやすくする。
「舐めるぞ」
そう言って叶はフェラをする。
気持ちいい感覚が悠を包み、叶の舌を感じる。温かく唾液で濡れた舌がアソコを包み恥ずかしさでまた顔をそむけるが叶はそれを許さず顔を向けさせてキスをする。
「真っ直ぐ見ていろ」
そう言う叶の表情は可愛くて、そらせずに見ていた。
叶を犯したい、犯されたい。
ふたつの感情が入り混じってぐちゃぐちゃになりそうだった。
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