第5話 訓練場でよかったね

へっ生意気なガキッスね!


そらそらそら


打ち下ろし、切り上げ、突き突き


上下左右あらゆる方向からの剣撃


更には肘や蹴り、木剣の柄を使った攻撃等を混ぜて来た


あれでも最初は手加減していのか、速度も爆速で上がっている


こいつの職業は盗賊系の上級職の忍者だ


斥候だけではなくアタッカーとしても充分トップクラスのジョブであり、その中でも上澄みの人間。


攻撃手段も多く苛烈、タンクの練習相手にはピッタリだぜ


とりあえずジャストガードで捌きつつ


俺は自分で分かりやすいように記号で相手の攻撃のパターンを読んでいく


上、上、下、下、左、右、左、右、肘、柄‥スラッシュッ?


ここだ!パリィ!


カンッと甲高いパリィの成功音が響くと


銀髪の男の木剣が明後日の方へ飛ぶ!


なっ!


驚く銀髪とじい


俺はふぅやれやれと溜息をつきながら


何を驚いている?あんな見え見えの大技など10歳児でもパリィ出来る


いやいや、普通の10歳児はパリィなど出来ませんぞ


じいは反論していたが、そんな事は知らん!なぜなら俺は普通の10歳児じゃないのだからな


へへへ、舐められたもんスね


死んでも恨むんじゃねえっスよ!?


望む所よ!


やめろ!シルヴァっ!


止めるなじい!


しかし坊ちゃま、いくら訓練場とは言え


もし、勝手に止めたら


止めたら?


肩叩き権は全て無効とする!


なんですと!?そんなぁあっ!!


ORZみたいな形でうずくまるG


そもそも何で主が執事の肩を叩くのかはよく分からんが、何かある度に爺に対して褒美として俺が与えていた物だ‥だってこいつ給料受け取らないんだもん。


相変わらず執事バカッスね‥まあ、こっちとしては都合が良いっス


ちょっと大人げないけど、それが俺の良いところってミドリも俺のことを全肯定で褒めてくれるッスからね!全力で行くッス!


ミドリ〜よく見てるッスよ!


細目を開くシルヴァ


臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前


ビッビッと空気を切り裂く音をたて

九字を切っていくと


銀色の炎がシルヴァを包んだ、そして


銀龍炎牙【ドシルヴァフレイム】と叫ぶ


銀色の龍の形をした炎が牙を向いて襲い掛かってくる!


こいつは、ただでさえ威力の高い技なのに、炎属性だけではなく斬撃属性に+して一定時間、出血と炎症のバットステータスを敵に付与すると言う物だ


まともに喰らったら訓練場なので死にはしないが、瀕死と蘇生を繰り返し、しばらくは動けなくなってしまう。


だが、ゲームのエクストラモードで何回も喰らっているので先ほどの攻撃よりもタイミングはバッチリだ!


ジャストパリィ!


成功音のカッキーンと言う音を立てて


そのまま銀の炎龍はシルヴァへと襲い掛かった


そして、その日はシルヴァは1日中訓練場から動けなくなってしまった。


因みに俺は心配させた罰として、訓練が終わってから1時間じいの肩叩きをさせられていた‥解せぬ














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