第2話 ドワーフの孫

私の名前は灰方かな子。

16歳になりたての高校生。


祖父はドワーフ人。私にもドワーフの血が1/4流れている。

そのせいなのかわからないが彼女の背はずいぶん低い。

制服もなんだか似合ってない気がしている。小学生が無理して制服着てるようだ。


「!」

登校中、背後からいきなり抱きしめられる。


「今日も可愛いなぁ、かな子は」

同じクラスのルゥちゃんだ。

容姿端麗、自信満々。まつ毛もバッチバチ。

彼女にはエルフ人の血が流れている。


私と同じような境遇だが、見た目は正反対だ。

ルゥちゃんはかな子にスキンシップが強め。

寒いらしく、子犬を愛でるようにかな子にくっつく。

小さい頃からずっと同じ学校で、クラスも同じ。

性格の悪い男子に亜人(強めな差別用語である)と虐められそうになった時に助けてくれてからずっと仲良しなのだ。親友、周りからはそう見えていると思う。


エルフとドワーフは仲悪いと思われているので、この関係をからかわれることもあるが、ルゥちゃんは理不尽に負けたりしない。

100倍にして言い返すし、最近はそこらの女優より美しくなっためか、そもそもからかう人間もずいぶん減った。


カッコいい親友。尊敬する。


私は彼女に守られながらコンプレックスを感じている。

彼女のことは決して嫌いでは無い。大好きだ。

一緒にいると楽しいし、嫌なことは減った。

でも、彼女に可愛がられる度に心がざわつく。


外から見たら凸凹ぴったりの二人。私はきっと凹の方だ。

「今日も寒いねー」


「そうだね」

私は今日も凹を演じてる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る