この世界を、青を、生き抜くことの切実さ。
- ★★★ Excellent!!!
「同意」という言葉に封じ込められた心の蓋をゆっくりと剥がし、それぞれの傷と向き合う物語。
ポリアモリー、ペドフィリア、性被害、近親愛ーー少年少女たちは、それぞれの傷を抱え、精一杯に生きている。瑞々しい文体で綴られた純文学。言葉に魅せられました。
本来、"一方的な力関係があり、「そうとしか選べない」状況で得られた同意を同意として扱うことはできない。"それは当然なことのはずなのに、世の中は多数決が全てのような節があります。
傷を見ない限り傷は生まれないが、傷と向き合わない限りその傷は無くならないというパラドックス。
どうか彼らがそれぞれの青を纏ったまま、光さす方へ行けますように。