第9話

【試した愛】


言葉にならない想いが

影へと吸い込まれてゆく

何も言えないと分かっていながら

眠れない夜は始まる


昔と呼ぶほど遠くでもない

手を伸ばせば届きそうな距離で

取り交わしの約束は今も

咲いたり枯れたりを繰り返している



私は試されていた

でも本当は解っていた

あの言葉の意味も

違和感の漂う行為(こうい)も

そして今になって知る


貴方の儚さも



それを繋ぐ喜びや悲しみしみを

愛と呼ぶのなら

与え、与えられて尊く導かれよ


祈る事

願う事の気休めを糧にして


秘めた心に問うてみる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る