第5話 時間のポーション

「で、さっき飲んだポーションのことだけどー、」

「は、はい」


「ちょっと、上手くできなかったんだー!」

「……ん?えじゃあどうして他のはおすすめしないって……」

「だってーー氷のポーションとかー、毒のポーションは使ってる人多いもーん」

エンジェルは子供っぽく言った。

「えー」

「じゃ!まず、この失敗したところから言うね!!このポーションは、時間を遅くできるんだ、つまり相手が遅く見えるってこと!でもね!ちょっと失敗しちゃってー、自分まで遅くなってしまうんだ!」


「え…それって意味無くないですか。」

「僕よりも上の人がいるから、その人に話してもらえばいいよ!」

「わかり…ました…」

「あ!アキマさん!ちょっと試しに かやと くんとジャンケンしてみてください!」

「あ?なんだ?いいぞ」

アキマはさっきまであった箱を下ろして言った。

「はい!まず、かやとくん。まだうまくコントロールできないはずだから、教えるね!。1 .目をつぶって深く深呼吸する。2 .目を開けて今の状況について考える。3 .今やってることについてよく考える。わかったかな?。かやとくんは、ジャンケンするときに時間のポーションを使ってがんばって勝つんだ!。それじゃあ行くよ!はいワンツースリーよいしょー!」


「最初はグー ジャンケン……」


僕はあのエンジェルが言ってた通りにやってみた。

…!?

時間がゆっくりと流れる。周りも見てもみんなゆっくりだ。

(アキマさんの手が遅く見える!勝てる……!)


(あれ…そもそもアキマさんって…指がなくね?最初からそうだったよな?。え、じゃあそのままパー勝てば勝ち……)

俺はパーを出した。


え!?


(…なぜだ!?なぜかさっきまで相手に指がなかったのに急に生えてきたぞ!?やばい自分も時間が遅くなってるからこのスピードだとできない!!)


「ポン!」


「…負けたあ……」


「はっはっは!これが本当の悪魔の力だぞ!見たか!俺がさっきまで指がないからってパー出しただろ?お前」



アキマは爆笑しながら俺に指をさした。

ムカつく。


「まあまあ、2人とも落ち着いてって!もう夜だし、みんなどっか外食しない?」


「賛成だ!!」

「外食……?」

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