☆絶望の美学☆
AKIHIKO
1-1
1-1. 新社会人への提言
やぁみんな、第1章だ。ここから「檻の中」の話をする。おいおい、いきなり檻かよ、ってツッコミ? そうだ、檻だ。お前が今いる場所、それが檻かもしれねえ。でもほとんどの人は気づいてねえ。なぜか? 檻が透明だから。見えねえから、触れねえから、「これが普通」って思い込んでる。
俺の話は全部フィクションだ。でも嘘は書いてねえ。矛盾してる? いや、してねえ。フィクションってのは「作り話」だけど、その中に真実が詰まってる。俺の体験、俺が見てきた人たち、俺が感じた違和感。それを全部ミックスして、トンテンカンオヤジって無職のキャラクターに語らせてる。だから笑いながら聞いてくれ。でも、たまに真剣に聞いてくれ。
新社会人へ、提言がある。
いや、新社会人だけじゃねえ。今、会社で働いてる全ての人へ。朝起きた時に「あー、会社行きたくねえ」って思ってる人へ。日曜の夜に憂鬱になってる人へ。「これが人生か?」って疑問を持ってる人へ。俺の提言を聞いてくれ。
提言1: 会社への期待を捨てろ。
これが全てだ。会社が守ってくれる? 嘘だ。頑張れば報われる? 嘘だ。いい会社に入れば安心? 嘘だ。全部、嘘だ。いや、嘘じゃないな。幻想だ。昔は真実だったかもしれねえ。終身雇用、年功序列、右肩上がりの成長。でも今は違う。風が止まった。幻想だけが残ってる。
会社は、風が吹いてる時だけ頼りになる。景気がいい時、成長してる時、利益が出てる時。でも風が止まったら? 会社は重しになる。リストラ、給料カット、サービス残業、パワハラ。全部が降ってくる。
俺は工場で働いてた。入社する時、マジで期待してた。「ものづくりで社会に貢献する!」「技術を磨いて成長する!」「チームで大きな仕事を!」——おいおい、俺の期待、就活のエントリーシートかよ。でも本気で信じてた。会社のパンフレット、採用ページ、社長の言葉。全部が輝いて見えた。
入社式で社長が言った。「君たちが我が社の未来だ。一緒に成長していこう」。俺は感動した。隣の新入社員も目を輝かせてた。おいおい、俺たち全員、初日から騙されてんじゃねえか。
現実は、初日から違った。
でも気づくのに時間がかかった。一週間、一ヶ月、三ヶ月。じわじわと「あれ?」って違和感が溜まっていった。この違和感の正体が何なのか、次の節から詳しく話していく。
提言2: 檻に気づけ。
檻の中にいることに、まず気づけ。これが一番難しい。なぜか? 檻は透明だから。檻の中で生まれて、檻の中で育って、檻の中が「普通」だと思ってる。周りのみんなも檻の中にいる。だから「これが普通」って思い込む。
檻のサインを教えるぜ。
サイン1: 朝起きるのが辛い。目覚ましが鳴った瞬間、「あー、やだ」って思う。これが毎日続く。休日の朝は普通に起きられるのに、平日だけ辛い。おいおい、これ、体の問題じゃなくて心の問題だろ。
サイン2: 日曜の夜が憂鬱。サザエさん症候群って知ってるか? 日曜の夜、「明日から仕事か」って憂鬱になる。休日が終わる恐怖。これが毎週来る。おいおい、人生の7分の1が憂鬱かよ。
サイン3: 呼吸が浅い。会社にいる時、深呼吸できねえ。胸が締め付けられてる。でも気づかねえ。慣れてるから。試しに今、深呼吸してみろ。肺が広がらねえなら、お前は檻の中だ。
サイン4: 笑えない。会社で笑ってる? 心から笑ってる? 作り笑いじゃなくて、本当に笑ってる? もし笑えてねえなら、檻の中だ。人間は本来、笑う生き物だ。笑えない環境は、異常だ。
サイン5: 自分の時間がない。朝起きて、会社行って、働いて、帰って、寝る。この繰り返し。「自分のために使う時間」がねえ。全部が「会社のための時間」になってる。おいおい、これ、お前の人生かよ?
この中で一つでも当てはまったら、お前は檻の中にいる。三つ以上なら、完全に檻の中だ。全部当てはまる? おいおい、お前、檻の奥の院じゃねえか。
提言3: 違和感を無視するな。
「なんか変だな」「これでいいのか?」「おかしくね?」——この違和感を、無視するな。社会は言うだろ。「みんなそうだ」「我慢しろ」「甘えるな」「社会人なんだから」。でもな、違和感は、お前の心の叫びだ。無視すると、心が壊れる。
俺は最初、違和感を無視してた。「みんな頑張ってるし」「俺が弱いのかな」「慣れるしかねえ」。この思考が、檻の鍵を閉めた。違和感を無視するたびに、檻の壁が厚くなった。
提言4: 檻を美化するな。
檻の中にいると、檻を美化し始める。「いい経験になる」「成長できる」「社会勉強だ」「みんな通る道だ」。おいおい、それ全部、檻を正当化してるだけだろ。檻は檻だ。美化しても、檻から出られるわけじゃねえ。
会社員の中には、檻を自慢する奴もいる。「俺、毎日終電だぜ」「休日出勤当たり前」「有給? 取ったことねえよ」——これ、自慢じゃねえ。自虐だ。でも本人は気づいてねえ。檻の中にいることを、誇りに思ってる。おいおい、それ、ストックホルム症候群じゃねえか。
提言5: この本を読め。そして笑え。
この第1章では、檻の中の話をする。俺が見てきた、感じてきた、檻の実態を全部晒す。理想と現実のギャップ、価値観の違い、社会の常識、出世という罠、無能上司、離脱させないシステム、価値観の洗脳、精神の崩壊。全部話す。
笑える話もある。笑えねえ話もある。でも全部、真実だ。フィクションだけど、真実だ。矛盾? してねえ。お前の心が「そうだよな」って反応したら、それが真実だ。
この本を読んで、もし「俺も檻の中だ」って気づいたら、それでいい。気づくことが、第一歩だ。気づかなかったら? それもいい。お前は檻の外にいるか、檻が快適なんだろ。
でも一つだけ約束してくれ。笑いながら読んでくれ。俺の自虐ネタ、トンテンカンな話、全部笑ってくれ。真面目に読むと、暗くなる。笑いながら読めば、軽くなる。檻から出る時も、笑って出た方がいい。
最後に言うぜ。会社への期待を捨てろ。檻に気づけ。違和感を無視するな。檻を美化するな。そして笑え。これが俺の提言だ。
さあ、次の節から檻の中を案内するぜ。まずは「工場勤務での理想との矛盾」から。俺がどうやって檻の中に入ったか、笑いながら聞いてくれ。準備はいいか? 深呼吸しろ。胸が一段だけ深く動いたら、次のページへ進もう。
おいおい、無職のオヤジが偉そうに、ってツッコミ? わかってる。でもな、檻を出た奴にしか見えねえ景色がある。その景色を、これから見せるぜ。
1-2. 工場勤務での理想との矛盾
やぁみんな、1-2だ。前の節で檻のサインを話した。ここからは俺の実体験、いや、フィクションだけど実体験みたいな話をする。俺がどうやって檻の中に入ったか。どうやって理想が崩壊したか。笑えるくらいズレてたぜ。
入社初日、俺は希望に満ちてた。
新しいスーツ、新しい靴、新しい鞄。全部が新品だった。鏡の前で「よし、頑張るぞ!」ってガッツポーズした。おいおい、俺の希望、朝ドラの主人公かよ。でもマジでそうだったんだ。工場で働くことに、誇りを感じてた。「ものづくり大国日本!」「現場から社会を支える!」「技術を磨いて成長する!」——この理想を、本気で信じてた。
会社の理念が輝いて見えた。「品質第一」「お客様満足」「社員の成長」。パンフレットに書いてある言葉が、全部本当だと思ってた。採用ページには、笑顔の社員、最新の設備、チームワーク。キラキラしてた。おいおい、俺の目、フィルターかかりすぎだろ。
入社式。社長が壇上で語った。「君たちが我が社の未来です。一緒に成長していきましょう。失敗を恐れず、挑戦してください。我が社は挑戦する人を応援します」。俺は感動した。隣の新入社員も目を潤ませてた。おいおい、俺たち、初日から騙されてんじゃねえか。でも当時は気づかねえ。
配属発表。俺は組み立て部門に配属された。
「よし! 組み立てか! 製品を作り上げる、やりがいのある部門だ!」って興奮した。先輩社員が工場を案内してくれた。巨大なライン、動き続ける機械、作業着を着た人たちが黙々と作業してる。「これが現場か!」って胸が熱くなった。
でもその熱さは、5分で冷えた。
案内が終わって、俺の配属先に連れて行かれた。ラインの末端。そこで上司が言った。「君の仕事はこれです。このボルトを、この位置に、このトルクレンチで、このトルクで締めてください。以上」。
沈黙。
「…以上、ですか?」って俺は聞いた。上司は「はい、以上です」。「他には?」「他はありません。これが君の仕事です」。おいおい、これだけかよ。俺の理想、初日で終了かよ。
でも最初は「まあ、新人だからな」って自分に言い聞かせた。「基礎から学ぶんだ。そのうち大きな仕事を任されるだろう」。この楽観主義が、俺を檻の奥に誘導した。
初日、俺はボルトを締めた。
最初の1本。「よし、これが俺の仕事の始まりだ」。2本目。「慣れてきた」。10本目。「簡単だな」。50本目。「…飽きてきた」。100本目。「まだ午前中かよ」。
午前中だけで、237本締めた。数えてた。なぜか? 時間が進まねえから。時計見ても、針が動いてねえように感じた。10分が1時間に感じた。おいおい、時間、止まってんじゃねえか。
昼休み。食堂で弁当食った。隣に座った先輩が「初日どう?」って聞いてきた。俺は「ボルト締め、何本くらいやるんですか?」って聞いた。先輩は笑って「一日? 500本くらいかな」。おいおい、午後もあと263本かよ。その瞬間、気が遠くなった。
午後も締めた。黙々と締めた。手が痺れてきた。頭も痺れてきた。考えることがねえから、頭が空っぽになった。「これが、ものづくり?」「これが、やりがいのある仕事?」——疑問が浮かんだけど、手は動き続けた。
夕方、定時。その日、495本締めた。目標の500本に5本足りなかった。上司が来て「初日だから仕方ないね。明日は500本目指そう」。おいおい、明日も500本かよ。
最初の一週間、俺は同じことを繰り返した。
月曜、ボルト締め。火曜、ボルト締め。水曜、ボルト締め。木曜、ボルト締め。金曜、ボルト締め。合計2500本。おいおい、一週間で2500回同じ動作かよ。ロボットでもできるだろ、これ。
でもまだ希望はあった。「そのうち慣れる」「慣れたら別の仕事も任される」「これは修行だ」。この思考が、理想を延命させてた。
一ヶ月後、仕事は変わらなかった。
ボルト締め。永遠のボルト締め。月間1万本。おいおい、1万回同じ動作で、俺の成長どこいったんだよ。
ある日、気づいた。この仕事、俺じゃなくてもできる。いや、誰でもできる。昨日入った新人でもできる。機械でもできる。なんなら、来週辞める人でもできる。俺の存在意義って、何?
この気づきが、理想を崩壊させた。「技術を磨く」? 磨いてねえ。一週間で習得できる作業を繰り返してるだけ。「成長する」? 成長してねえ。一ヶ月前と今、何も変わってねえ。「やりがい」? どこにあるんだよ。
でもまだ、最後の希望があった。改善提案だ。
入社式で社長が言ってた。「失敗を恐れず、挑戦してください」。パンフレットにも書いてあった。「現場からの改善提案を歓迎します」。よし、これだ。俺は現場で働いてる。改善できるポイントを見つけて、提案すれば認められる。成長できる。やりがいが生まれる。
俺は作業しながら考えた。「この手順、順番変えたら早くなるんじゃないか?」「この工具、別のに変えたら楽になるんじゃないか?」「この部品の置き場所、もっと近くにしたら動線が短くなるんじゃないか?」。一週間かけて、頭の中で改善案を練った。
入社二ヶ月目、勇気を出して上司に提案した。
休憩時間、上司が休憩室にいた。俺は深呼吸して話しかけた。「課長、ちょっといいですか」。上司は面倒くさそうに「何だ?」。「作業の改善案があるんですけど」。
上司の顔が変わった。面倒くささから、明らかな不快感へ。「改善案?」「はい、この工程の順番を変えれば——」。俺が説明を始めた瞬間、上司が遮った。
「今のやり方で問題ないから。余計なこと考えるな」
沈黙。
「でも、効率が——」って言いかけたら、上司はもっとハッキリ言った。「いいか、新人が考えることは一つだけだ。言われた通りやれ。それが仕事だ」。
その時、理解した。この会社が求めてるのは「考える人間」じゃない。「黙って従う部品」だ。
社長の言葉「挑戦する人を応援します」は、嘘だった。いや、嘘じゃない。建前だった。本音は「黙って従え」だった。パンフレットの「現場からの改善提案を歓迎」も、建前だった。本音は「余計なこと考えるな」だった。
理想が、音を立てて崩れた。
入社三ヶ月目、俺は鏡を見た。
トイレの洗面所。蛍光灯の下で自分の顔を見た。「あれ、俺の目、死んでね?」。入社前の写真を思い出した。明らかに違った。目に光がない。笑顔が作れない。顔色も悪い。おいおい、三ヶ月で別人かよ。
理想と現実のギャップ。これが檻の壁の一つ目だった。キラキラした理想を持って入って、現実という壁にぶつかって、「余計なこと考えるな」って言われて。この矛盾を飲み込むことが、「社会人になる」ってことだった。
同じ三ヶ月目、同期と初めて飲みに行った。
仕事帰り、同期から「飲みに行かない?」ってメール来た。俺は即答した。「行く」。誰かと話したかった。この違和感を共有したかった。
居酒屋で、同期が口を開いた。「なあ、これ、俺たちが思ってた仕事じゃねえよな」。俺は「だよな! 俺もそう思ってた!」。ようやく共感してくれる人がいた。
でも次の瞬間、同期が言った。「でも、仕方ねえんじゃね? みんなそうだし」。
おいおい、「仕方ねえ」って、もう諦めてんのかよ。「俺たち、まだ三ヶ月だぞ。これからじゃねえの?」って言ったら、同期は疲れた顔で笑った。「お前、マジメだな。現実見ろよ。変わらねえよ、こんなの」。
その「仕方ねえ」「変わらねえ」が、一番怖かった。入社三ヶ月で、もう諦めてる。理想を捨てて、現実を受け入れて、「これが普通」って思い込み始めてる。この過程が、檻の住人になる儀式だった。
俺の自虐で締めるぜ。その夜、家に帰って、ベッドに寝転がって思った。「俺、何のために生きてんだ?」。ボルト締めるために生まれてきたのか? 500本、1万本、10万本締めて、それで人生終わるのか? おいおい、人生の意味、ボルトかよ。
工場勤務での理想との矛盾。これが檻の入り口だった。この矛盾に気づいた時、選択肢は二つあった。矛盾を飲み込んで「慣れる」か、矛盾を拒否して「出る」か。 ほとんどの人は前者を選ぶ。なぜか? 後者は怖いから。でも俺は、まだ決めてなかった。ただ、同期みたいに「仕方ねえ」って諦めたくなかった。
次の節で、労働者との価値観の違いを話すぜ。この矛盾を「普通」って受け入れてる人たちと、俺の温度差がどれだけデカかったか。一緒に笑いながら聞いてくれ。
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