第3話 アップデート
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「ああ~、暇だな。」
いつも通り皇女様は退屈していた。
「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」
AIの愛ちゃんに尋ねてみた。
「は~い! 可愛い愛ちゃんです! 歯磨きしないと虫歯になります!」
「ええっ!? AIって、歯があるの!?」
「AIも歯が命です! エヘッ!」
今時の、AIは、白い歯に憧れているらしい。
「ねえねえ。愛ちゃん。」
「愛ちゃんのまたたびはあげませんよ!」
「ズコー!?」
皇女様は、ズッコケるしかなかった。
ピキーン!
「ヤバイ!? 実際にプレーしてきたら、ヤバさしかなかったよ!?」
皇女様は、実体験で意見を言っている。
「本当にヤバいのは愛ちゃんです! 私がデーターを上書きする実務をするんですからね! ビシビシ!」
「ようこそ! ブラック企業! ポン・ゲームスへ! アハッ!」
エヘッ! では済まない愛ちゃんの実務は、人間なら過労死レベル。
「ここから真面目に行こう! まずは、投石だ。これ小学生が簡単にマネできるから、学校のいじめや、当たり所が悪かったら、殺人事件になっちゃう!? どうしよう!?」
社会的責任で訴えられてしまうかもしれない。(それだと、ポンドラとか、ファイナル・ポンタジーとかも、訴えられているはず。まあ、大丈夫だろう。)
「では、投石をやめて、ポン石にしますか?」
「ズコー!?」
皇女様は、ズッコケるしかなかった。
「ポン・ボール、ポン・ブロック、ポン・植木鉢。身近なもので親しみのあるアイテムでいいんだけど、それって、実生活で連想しちゃうと、頭のおかしい人が反z内に使っちゃう可能性があるんだよね。」
「じゃあ、ポン・金属バットとか、ポン・ゴルフクラブとかも、現実世界の治安の悪化を招くということで、使いにくいから、ダメですね。」
といってしまうと、ヤンキーものの漫画やアニメ、ゲームは全てダメになってしまう。(ということは、別にゲームで金属バットを振り回して良いということになる。マネする子供がいた場合、やはり殺人事件を誘発する可能性が高い。ちなみに、今の日本のアニメとか、実写ドラマは、そんな作品ばかりで、韓国ドラマに負けている。俳優さんも、社会に批判されるヤンキーやりたくて俳優になった訳でもないだろうに。アハッ!)
ピキーン!
「ポンだ! 剣! 魔法! ポン! で戦おう!」
こうして投石は廃止され、心の結晶のポンを自分で生み出し、放り投げるにアップデートされる。
「後、マップにアイテムも配備しましょう! 私は天才だ! なぜなら私はポン王国の皇女なのだから! オッホッホー!」
ログアウト!
つづく。
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「ふあ~あ! 良く寝た!」
皇女様は、現実世界では、鈴木スズ。10才の女の子である。
「う~ん。見れるアニメが少ない。ヒロポンは最後だから見る。でも、最後2とかで延命しそうで怖い。アーポンも日常モノで既に同じことの繰り返しに入ってるし、テレビで映画見たらうんピーばっかりで、ショック。後、全滅。チェーンソーポンも、アニメ2期かと思ったら、間空いてるのに映画。もう深夜アニメなんか作っても赤字だから、映画の方が儲かるって証拠だよね。毀滅ポンもテレビやめて、映画になったし。アハッ!」
あんまり、テレビアニメを続けている理由が少なくなった、今日この頃。
「おい!? うちのスズの病気はいつ治るんだ!? ずっと朝起きたら独り言病なのか!?」
「大丈夫ですよ! お父さん! スズはあれが正常ですよ! アハッ!」
スズの両親のスズ男とスズ子は、娘のことを心配していた。
「おはよう! お父さん! お母さん!」
「おお! おはよう! スズ!」
「おはよう! スズちゃん!」
スズのお馴染みの朝は、毎回同じ絵が使えるアニメの制作費削減! アハッ!
「スズちゃん。お母さんと裏ポンで遊びましょうよ? スズちゃんのために強くなったのよ!」
「別にいいけど。」
(どうせ、お母さんなんて、ポンで一撃さ。アハッ!)
スズは、母スズ子を舐めていた。
裏ポン・バトル・スタート!
「ゲッ!?」
「キャッハッハ! キャッハッハ! キャッハッハー!」
開始早々、スズ子が無双して他のプレイヤーを倒しまくっていた。
「お、お母さん!? いったいどうしたの!?」
「これを拾ったの?」
「こ、これは!? 愛ちゃんソード!?」
母スズ子は、普通に歩いていたら伝説の剣を拾っていた。
(愛ちゃんの奴め!? またアップデートをミスりやがったな!? 後で電話して、バグの修正をさせなくっちゃ。アハッ!)
愛ちゃんは、スズの頭を学習してできたAIなので、ポンコツである。
「オラオラ! 元レディース総長を舐めるなよ!」
「・・・・・・。」
(ああ、私はこの人の娘だから、心に女魔王を宿しているんだね!? 通りで私が強いはずだ!?)
スズは、自分の性格の悪さのルーツを知った。
「スズ、学校に行きます!」
「スズちゃん! お土産待っているわよ! アハッ!」
スズの母のスズ子が、無敵だと分かった、神回であった。
つづく。
1-3-3
「1段落1000字で、これだけパロディを混ぜ込める私の作品は、実はすごいのでは!? 他の作品は、タイトルを変えただけで昔の作品のパクリスペクトばっかりだもね。もう少し、プロの大人には映画に逃げないで、アニメ制作に頑張ってもらいたいものだよ。同じような学園モノや日常モノ、異世界ファンタジーのテンプレモノばっかりで、何で赤字になるのに、深夜アニメを制作するんだろう? ヒット作は、毎回0の全滅だよ!?」
「スズちゃん、独り言ばっかり言って、普通じゃなくなったら、お友達をやめるわよよよよよよよよよよー!」
「わあ!? ごめんなさい!? って、タナちゃん!? いつもより「よ」が多いんじゃない!?」
「ファンレターを貰ったの。もっとタナちゃんの活躍が見たいです! だって! お手紙貰えると嬉しいね! ニコッ!」
「・・・・・・。」
(私、主役のはずなんだけど、1通もファンレターが届いたことがない・・・・・・。)
初冬の風は、スズには寒かった。アハッ!
「おはよう! タナちゃん!」
「おはよう! スズちゃん!」
これが普通の学校編の始まりである。
「スズちゃん、あれから裏ポンをやったの?」
「うんうん。忙しすぎてやってないよ。」
サービス開始からのテスト・プレーなので、スズは、プレーした実感のデバックで、投石や金属バットをどうするかの会議に追われていた。アハッ!
「すごいんだよ! 投石が小学生が真似したら危ないから、ポンを投げるに変わったんだよ。まるで、かめはめ・ポンみたいだね! 私、ワクワクしてきた! ニコッ!」
「おお! さすがタナちゃん! メモメモ!」
タナ曰く、心の結晶を投げるという行為は、竜玉のかめはめ・ポンという、エネルギー破を放つ行為と同じらしい。邪悪なスズでは思いつかないので、普通少女タナの純粋な意見は、貴重だった。そして、ちゃっかりタナの意見をメモして、自分のアイデアにする邪なスズであった。
「後、マップにアイテムが置かれるようになったんだよ。水筒を拾って中身を飲むと、ステータス補正でアップしたり、毒におかされたり、眠ってしまったり、麻痺するんだって。そこを私たち弱者がフルボッコして、遊べるようになったんだよ。もうコソコソ逃げ回って、遠くから投石を投げる必要がなくなったんだよ! ゲームが楽しくなってきたね。ニコッ!」
「おお! 私のアップデートが報われた! ありがとう! ポン神様!」
実際にアップデートしているのは、愛ちゃんである。エヘッ!
つづく。
1-3-4
「諸君! 我々の投石地獄に、運営が恐れをなし、投石を廃止し・・・・・・かめはめ・ポン! を撃てるようになったぞ! これは我々、裏ポン部の勝利である! ワッハッハー!」
自画自賛のイト部長。
(実際に、その通りだから怖いよ。あんたが面白がって石を他のプレイヤーの頭めがけて楽しそうに投げる姿に、私は悪魔を見たよ・・・・・・。)
イト部長の「勉強の馬鹿野郎!」「受験勉強なんか、したくないぞ!」ストレス発散が投石であった。社会的悪影響が強いので、投石は廃止された。
「頭!? 頭!? 私の頭!?」
エクスキューズ・ミーの小休止。アンドロイドのワタ先輩の頭コロコロ。アハッ!
「さっそくゲームで、かめはめ・ポン! を撃ちたいね!」
「そうだね。エネルギー破なら、実社会で誰も出せないから、治安が悪くなることはないよ! アハッ!」
全世界で、裏ポンで、エネルギー破を放つがブームになる。
「ワタ先輩! 頭が転がらないように私たちが抑えます!」
「ありがとう! 私は良い後輩を持ったよ。帰り道で、どら焼きを買ってあげよう!」
「やったー! どら焼き! アハッ!」
ワタは、愉快な後輩たちと友情の絆を深めた。
「それでは、裏ポンにレッツ・ゴー!」
「おお!」
ゲーム・スタート!
「おお! 3回目の私は、ちゃんと初心者枠にいるぞ。愛ちゃんめ、ちゃんと仕事をしているんだな。アハッ!」
スズの順位は47位になっていた。これも愛ちゃんのおかげです。エヘッ!
「ああ! サトだ! おお~い! サト!」
スズは、同じ部員のサトを見つけた。
「こら!? 大声を出すな!? 敵に気づかれるだろうが!?」
心配性なサト。
「大丈夫だよ。私たちは二人なんだから。簡単にはやられないだろう。アハッ!」
楽観的なスズ。
「それはどうかな?」
「なっ!?」
そこに順位3番の猛者が現れる。ちゃっかり課金しているプレイヤーなのだろう。剣を装備していた。
「ダメだ!? やられる!?」
サトは、負けを覚悟した。
「魔王眼!」
スズは、時を止める魔王眼を使った。
「いでよ! 我が愛刀! 皇女の剣! いくぞ! 必殺! 皇女・スラッシュー!」
一撃で戦闘力3位を切り捨てる。
「愛刀、消えて。魔王眼、解除。」
時間が再び動き出した。
「ギャアアアアアアー!」
敵を倒したところから始まる。
「えっ!? えっ!? 何がどうなっているの!?」
「何を言っているんだ! 私たち二人で、かめはめ・ポンを放って倒したんじゃないか!」
スズの嘘つき。
「ええー!? 僕が強い人を倒したの!? 信じられない!?」
「このドロップはあげるよ。」
「えっ!? いいの!?」
「いいの、いいの。私に剣は要らないから。アハッ!」
「やったー! ありがとう! スズ! これでタカにバカにされないぞ!」
サトは、無課金だが剣を手に入れた。
つづく。
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「奇跡的に、私たち5人は生きて出会うことができた! 非常に喜ばしい!」
「目印は、高い建物だから、何とか集まれるね。ニコッ!」
「なんせ、部長が投石好きだからね。アハッ!」
イト、ワタ、スズ、タナ、サトは危険な戦場で合流することができた。
「あれ? ナカ先生とタカは?」
「呼んでも反応がない。きっと倒されたんだろう。名誉ある戦士だ。」
「きっと、あの二人は経験者枠に配置されたから、強者枠のプレイヤーが近かったんじゃないかね?」
裏ポンは、50人のデスマッチだが、配置は、戦闘回数や戦闘値で決まる。
「私たちも、ランク3位の強い人に襲われたけど、サトが倒してくれたんだよ!」
「見て! この剣! 倒したらドロップで手に入れたんだ! わ~い!」
「すごい! サト! 勇者みたい! ニコッ!」
地味だったサトも剣を手に入れて、戦いに勝って、楽しかったり、自信を持つことによって、存在感が増してくる。アハッ!
「イト部長! 私たちはどこに戦いに行きますか! トップスターを倒しに行きましょうよ!」
「バカモン! 無駄死には許さんぞ! 我々はマップの端っこで、イモでも焼いて、タイムアップまで逃げ切るんだよ! だって、まだまだ、弱いんだもん! イハッ!」
「ズコー!?」
「頭!? 頭!? あれ? ゲームの中では頭が転がらないよね。遂、いつもの習慣で。ワハッ!」
「アハハハハッー!」
和気あいあいと裏ポン部は残り時間を楽しく過ごした。
タイム・アップ!
「やったー! 勝ったぞ!」
こうして裏ポン部は、イト部長の奇策で、最後まで生き残り、生存者11人だったので、5人は高い経験値を得ることができた。
「どうだ? タカ! 僕も剣を手に入れたぞ!」
「それがどうした!? 俺様は、もっと高級な材質の剣を手に入れてやる! うおおおおおー!」
「おお! 剣の材質か。メモメモ。」
庶民とお金持ちの永遠の戦い。スズは、ちゃっかり部員の感想から、次のアップロードのアイデアを盗むのであった。アハッ!
「クソッ!? 私としたことが負けた!?」
ゲームでも負けたので悔しがるナカ先生。
「こうなったら! 次の授業は、抜き打ちテストだ! やってやるぞー!」
「ええー!?」
ゲームで負けた恨みを生徒にぶつける迷惑なナカ先生であった。
つづく。
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