概要
王座に落ちた10首連作です
フランスの詩人ステファヌ・マラルメは19世紀末、「幸運にも、私は完璧に死んだ」と友人に書き送り、「仏教を知らずして無に到達した」と告げる。それはニーチェに先立つ「神の死」の自覚であったのかも知れない。マラルメの死後発見された未完の散文詩『イジチュール』は、ラテン語の接続詞igiturの名を持つ主人公が、深夜に奇妙な思索の果てに先祖の墓前で「賽の一振り」を試みてのち、小瓶の中身を飲み干して死ぬという筋書をもつ。娘婿ボニオによる校訂ののち発表されたこの散文詩は、モーリス・ブランショをはじめ多くの批評家や思想家の関心を呼び、「死」「虚無」について20世紀後半の思想的淵源となる。ところでこの『イジチュール』には「またはエルベノンの狂気」という副題が添えられている。エルベノンとはユダヤ=キリスト教の伝
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