第5話
B地点に本部が来て1時間も経たないうちにA地点もC地点の部隊も来た。
しかし他の部隊も大幅に人数が減っていて、総勢40人くらいしか残って居なかった。大半がコアの最期の攻撃によってやられたという報告が上がっている。敵との力は同じくらいで戦況は平行線を辿っていた。
大輝「そろそろ演技はいいか?」
雅貴「ああもう大丈夫だ。」
一同「演技!?てか誰?」
大輝「俺だよ、大輝だよ。」
ルイル「ストレートボブのセンター分け赤い瞳、中々だな。」
大輝「ありがとう。でも今は戦いだろ。俺の演技でラストレメもおびき出せたわけだし、ちゃっちゃと済ませるぞ。」
大輝が戦いに加わった事で戦況は一変した。それから2時間ほどで決着がつく事となる。
ルノ「雅貴大丈夫か?」
疲れ果てて転がっている雅貴に手を差し伸べた。雅貴はその手を取り立ち上がった。大きな犠牲を出し戦いは終わった。安堵したつかぬ間、ルイルが叫ぶように大きな声を出す。
ルイル「凌駕逃げろ。」
運悪く、ラストレメの最期の攻撃が凌駕の下へ。
ドサ
凌駕「大輝!?」
それから、2週間経っても大輝は目を覚まさなかった。治癒出来る範囲をとうに超えたそのケガ。2週間持っているだけ凄い方だ。
ルイル「もう治癒師、最期の技を使うしかないのでは?」
雅貴「なんだそれは?」
ルイル「治癒の力を失う代わりに、どんな病も傷も治る力だ。」
凌駕「それなら僕がやる。」
ルノ「いや、凌駕にはやらせない。」
凌駕「なんで……。今度は僕が救うんだ。」
ルノ「凌駕の魔力は治癒魔法に集中してる。それを失えば、魔力切れで死ぬぞ。」
凌駕「それでも、僕は救いたい。」
雅貴「大輝に守って貰った命を大輝を救う為に手放すのか?」
ルイル「辞めとけ。」
凌駕「みんなしてなんだよ。後悔なんてしたくない。やらせてくれ。」
ルイル「お前、最近寝てない上にろくに食べてないだろう。そんなんで正しい判断はできない。」
大輝「うるさい。」
一同「大輝!?」
雅貴「なんで……大輝……。」
大輝「そりゃ毎日毎日、魔力渡されてたら起きるだろ。」
ルノ「まさか、凌駕毎日ギリギリの魔力を渡してたのか?てかそんなこと出来るのか?」
大輝「あれ、凌駕だったのか?」
凌駕「そうだよ。自分の魔力が回復したら渡してた。なんか出来るかな〜と思ってやってみたら出来たんだよね。」
ルイル「天才の発言……。その、顔色の悪さは魔力不足か。」
バタン。
ルイル「ああ倒れたよ。なんでそこまでするかね?」
ルノ「ルイルは雅貴が死にかけでも魔力渡さなそう。」
ルイル「当たり前だ。そもそも出来ない。」
そんなこんなで、5人とも全員無事で戦いを終えた。魔力切れを起こした凌駕は持ち前のポテンシャルで魔力を回復し大事には至らなかった。5人とも五体満足で戦いを終えた。めでたしめでたし。
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