第4話
それから作戦会議が開かれた。
部隊は、固定コアの数の3つ。A地点、ルノ。B地点には大輝、C地点ルイル。それぞれにに転生者を割り振る。
勿論、特別魔法の種類や魔力の強さも鑑みてである。凌駕は本部でその3地点全ての治癒を一斉に行ってもらう。ある程度の傷はそれらの地点に立っているだけで治るように出来るらしい。僕自身も本部で司令塔として残る。何かあった時の為に力を温存しとく役割もある。しかし僕が死ねば指示が滞る為、僕に護衛がつくらしい。
「どうも話を聞いてきました。ネルムと。」
「アルムです。」
「そっくりですね。」
「双子なんで!!」
その声は同時に発された。流石、双子である。決戦は今夜。それぞれが、緊張と不安に満ちている。
「肩の力を抜け、雅貴。」
「ルイル。」
「全力を尽くせ。」
「おう。」
ついに決戦の時。戦況はとても良かった。ラストレメこそ姿をあらわさないものの順調にコアを壊している。ただコアを壊す時に、コアの最期の攻撃を出すことが分かった。その威力はまちまちで、1メートル焼き尽くす事もあれば2キロ焼き尽くすこともある。それは、壊さなければ分からない。
「こちらB地点、大輝。治癒師が大幅に攻撃された。凌駕の治癒もあるが、それ以上の傷を負っているものが多い。」
「本部、アルム。了解した。他の地点から治癒師をおくる。」
「アルム。他に余裕ないぞ。」
「僕が行こう。」
「凌駕。3地点の治癒にプラスで重症者の治癒も出来るのか?」
「僕をなんだと思っている朝飯前だ。」
それはそれは素晴らしい働きだった。凌駕の右に出る治癒師などいないだろう。ただ普通魔法が0に等しい為に自分の身を守れないのがたまに傷だが。
「なんでここにいるんだ、凌駕。」
「そら、B地点に応援に来たのは僕だからな。」
「そうじゃない。ここは前線だ。もし何かあったら……。」
戦いながらも手を止めず大輝は戦い続ける。器用なやつだなと思った。
「凌駕、危ない!!」
ボンっと大きな音がした。目の前にいるのはピンクの髪色をした男だった。
「お前、大輝か?同室の僕もみたこと無かったのに。それに今、庇うと同時にコア壊しただろ。」
「そうだが?っ……うぅ゙。」
大輝は凌駕を庇った時に傷を負っていた。それがきっと大輝の魔力を減らし、姿を保てなくなったのかも知れない、と凌駕は思った。B地点は大輝の力で成り立っている為、このままでは、ラストレメとの戦いに参戦出来ない。しばらくの間、凌駕は大輝を含め治癒に専念した。より多くの人がラストレメとの戦いに挑めるように。
「こちら本部。雅貴だ。ラストレメがB地点に向かっている。いけるか?」
「こちらB地点、凌駕。大輝が負傷。最大限に治癒を行うがすぐ戦うのは無理だろう。」
「応援が到着するより、ラストレメの到着のが早い。よって本部から僕らが向かう。」
「こちら本部のネルム。全部隊に通達する。全員B地点に向かえ。」
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