第3話

清々しい朝だ。ルイルの朝は早い。ルイルより先に起きれたことはない。


「おい雅貴。鏡をみろ。」


「なんで?」


「姿が変わってる。」


鏡をみると、凌駕とは違うタイプの癖っ毛の水色髪の男がいた。凌駕は一束が小さい癖っ毛だが僕は一束が大きいタイプの癖っ毛である。


「アースアイじゃないか。」


「おお本当だ。」


背中の下の方まである髪は重い。


「凌駕に髪ゴムを貰ったらどうだ。」


「ルイルは持ってないのか?」


「俺は絶対に髪を結ばない。」


「そう。」


その後、凌駕に髪ゴムを貰いポニーテールにした。何処からともなく現れた大輝が言う。


大輝「ルノが起きたら、魔力検査をしよう。」


凌駕「特別魔法の種類と大きさ、それと普通魔法の大きさが分かるやつね。」


雅貴「なるほど。二人はどうなんだ?」


凌駕「僕は、治癒魔法。普通魔法は使えない。」


ルイル「治癒魔法に全フリしたような感じだ。普通魔法が使えない代わりなのか治癒魔法は測りきれない。」


雅貴「大輝は?」


大輝「俺は全てに置いて完璧だ。防御魔法も最大値を超えてる。」


凌駕「大輝の時は魔力検査機をぶっ壊して大変だったなぁ。」


大輝「だから、俺の正確な魔力値は分からない。」


 それから三人の説明によると、この家に住む約100人の転生者の特別魔法は風火水が一割ずつ。4割が治癒。3割が防御になる。あと平屋なのに階段があるのは、拡張魔法らしい。オッドアイは35人。見た目を大輝のようにしてるのは20人。その中で戦いの時その姿を保てるのは大輝だけらしい。


ルノ「おはよう!!」


一同「おはよう。」


ルノ「そこの美しい君は誰だい?良ければこのあとデートでも。」


雅貴「ルノ、僕だ。雅貴だ。」


ルノ「雅貴が!?もともと美しい見た目をしてたがこの世界の見た目も含めると凄いな。」


ルイル「そこまで。ルノ、これ以上口説くなよ。」


ルノ「了解。さぁ魔力検査を始めようか。」


不思議な瓶に手を当てると虹色の水が満ちる。少しすると文字が浮かび上がってきた。


特別魔法→存知(大)

普通魔法→(中)


一同「存知?」


ルイル「意味としては、よく知っていること理解していることらしい。」


雅貴「銀行強盗、アドラン通り。二人組。」


大輝「どうした?」


雅貴「なんか分からないけど、脳内に流れてきた。ちなみにそこから南の方向の小道に逃げてる。」


ルノ「よし行ってみよう。」


僕の指示のとおりに強盗のところへ行くと本当にいた。黒ずくめの大きな鞄をもった二人組。


強盗「なんだお前ら。」


ルイル「アドラン通りの銀行強盗だな。」


強盗「だったら、なんだ。」


認めた瞬間ルイルと大輝がそれぞれ一人ずつ拘束した。


雅貴「本当にいたな。」


凌駕「現在いまを知れると言ったところだろうか。」


ルノ「ということはレメのコアの場所も分かる?」


雅貴「レメのコアとは?」


ルノ「レメの本体と呼べる小さな球体だ。そこから敵が現れる。」


雅貴「僕が把握できてるのは4つ。3つは固定されてて、1つは動き敵を連れている。」


大輝「それが、ラストレメだな。それさえ倒せば良いわけだ。」


雅貴「ラストレメは多分知能を持っているぞ。」


凌駕「何故そう思う?」


雅貴「まず敵を連れていて、その指示をしているのはラストレメだ。統率も取れている。」


凌駕「なるほどな。」


雅貴「奇襲を仕掛けるなら今かも知れない。」


ルイル「何故そう思う。」


雅貴「一時的に今は敵が少ない。それもそう長くは続かないだろう。あと3日と言ったところか。」


ルノ「それならば、明日の夜を決戦としよう。」

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