一章.パーティ勧誘
第4話
「おっ、確か化粧水無くなりそうだったのう。見つけれたのは大きい!」
こっちのマニキュアは色がいいな!決めた、次はこの色でネイルをしよう。
やはり開拓というのはいい。食料も新たな確保の目途が立ったし豊富じゃ豊富。
様々な商品を手に取りリュックに詰めていく。
時刻はまだ昼を過ぎたところ。
体力と鞄の空きを気にしながら探索を続けることを決め、店を出て屈みながら下の階の様子を伺う。
ざっと確認できるだけでも数は20は超える。しかし・・・。
すんなり、とまではいかないが思いの外この階の感染者の数が少なく背後が取りやすい。おかげでここまで来るのにそう時間を使わなかった。
そしてここまでの道のりで頭が潰された感染者の死体が何体も転がっていたのを思い出す。
付近に生存者がいると見ていいだろうが、
「はたして生きているのか・・・」
とっくに食われたかもしれんし、先程倒した感染者のうちの誰かかもしれん。
淡い期待は抱かずにおいた方が自分のためだ。そう言い聞かせ探索を再開する。
バリケードの拡張を視野に入れ、罠が設置できそうな箇所も確認していく。
といっても素材と労力が追い付かないのが現状。モール内のマップも欲しいところである。ノートの1ページ目に書いたやることリストにそれらも追加する。
「さて、」
物陰から進みたい方向を確認する。視界の先には呻きながら徘徊する感染者が一匹。
どうやらこの先にある店に向かっているようだ。
足元に落ちていた角材を手に取り隙だらけの背後に叩き込む。
しかし相手はよろけるだけでダメージはそんなに入っていないようだ。逆に角材は一撃で折れてしまう始末。
顔が歪むのだって致し方無いだろう。
折れたことによって先が鋭くなった角材を全力でその目めがけて突き刺す。
力のない僕だが腐敗していたことにより視界を潰すことができた。
叫ばれて他の連中を呼ばれては困る。急いで金槌を使い頭部を破壊する。
使い慣れた武器の安心感というのはすごいものじゃ。
それに言い訳をせず弱点を他の要素でリカバリーできる僕。やはり天才じゃ。
動きが止まったことを確認してから退く。
こいつがこの店に向かっていた理由を確認すべきく辺りを見渡せば僅かに聞こえる声。
会話などではなくすすり泣く声。
集中しなければ聞き逃してしまうそれは幼い子供のもののよう。
こいつらは喚くしか能のない連中だ。生存者、なんだろうが念には念を入れ包丁を手に声がする方向へ向かう。
声がするのはどうやらカウンター下からのようだ。
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