12.恋物語は終わらない
「そういえば100億年前にあなたが言っていた『好きな人』というのは、どんな方なのです?」
「人じゃないな」
「人じゃない……?」
*
「人じゃないとすれば、なんなのでしょう」
「ハエトリグモ」
「そこにいる蜘蛛さん、まさか本当に恋のライバルだった……?」
*
「100億年も待ったのに、虫ごときに負けるなんて理不尽すぎるのですわ……」
「もう100億年待ってみたらどうだ?」
「ここからさらに100億年間も待たされるなんて理不尽すぎるのですわ……」
*
「こうなったら冗談ではなく本当にハエトリグモに転生するしかない……!?」
「待ってるよ」
「待つのではなく
*
「でも転生なんてできないだろ」
「100億年も生きてきた
「100億年も生きてきた俺たちにあるのは不可解の三文字だけだからな」
*
「転生したら巨乳になれるといいな」
「ハエトリグモになってしまったら披露する機会がないのですわ?」
*
「ハエトリグモになってから巨乳の人間に
「
*
「だったら! 最初から人間の
「巨乳が抜けてる」
「しまった!」
*
「胸の大きさなんて関係ない、俺はお前という存在が好きだから──という
「嘘でいいのか?」
「ダメですわ」
*
「転生なんてする必要はない、俺はこの宇宙が終わるまでお前と一緒にいることができればそれで幸せなんだ──という
「だから嘘でいいのか?」
「だからダメなのですわ」
*
「100億年も待つ必要はない。だってその時間もお前と一緒に過ごしたいから」
「急にどうしたのです?」
「100億年前に告白されたとき、俺がこう言っていたらどうしていた?」
「実際そんな
*
「ところでそろそろ多少なりとも愛が芽生える頃ですわよね?」
「うーん、あと100億年あれば芽生えるかも」
「やはり
*
「そんなに待てませんわ! というわけでハエトリグモに転生いたします。またお会いできる日を楽しみにしておりますわ」
「俺は巨乳エルフちゃんと仲良くなれそうな世界に転生するかなぁ」
「あのですね……『行かないでくれ』と
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