第4話
私は一気にスターダムを駆け上がった。
スターもスター、スーパースター。
国民的スターよ。
こっちで、ピョーン、ピョーン。
あっちで、ピョーン、ピョーン。
あー、忙しい。
国民的スターも大変ね。
今頃、学校のみんなはどうしてるだろう?
パパ、ママ、元気でいるの?
今度、帰ろうかしら?
「ねえ、マネージャーさん。今日の予定はどうなってるの?」
「ウエヘヘ。午前中は、テレビ番組の収録でやんす。午後は、アルバムのレコーディング。夜はアメリカ大統領とトランプ、国連事務総長とオセロ、総理大臣とアルプス一万尺と、ずーっと予定が入っているでやんす」
「明日はどう?」
「明日も明後日も、その先も、ずーっと予定でいっぱいでやんす」
「まあ、それじゃ休むときがないじゃない!そんなの嫌よ、ウエーン!」
私が駄々を捏ねていると、渋川栗男さんがやってきた。
「やあ、どうしたんだい、天才トランポリン少女?」
「栗男さん……。ぐすっ、ぐすっ。私、遊ぶ時間が全然ないのよ」
「かわいそうに。ほら、ジュースを飲みなよ」
「ありがとう。ぐすっ。冷たくて甘くておいしいわ」
「疲れているんだね。僕が足を揉んであげるよ。ムフフ……」
モミモミ。
「ありがとう、栗男さん。あなたは出会った頃から優しかったわ」
「ムフフ、君のためなら何でもしてあげるさ」
栗男さんの優しさに助けられて、その後も私は一生懸命に仕事をこなしていった。
でも、何だか最近変なのよ。
以前だったら、私がトランポリンをしたら、みんな大喜びしてくれたのに、今ではそうでもないみたい。
「ねえ、マネージャーさん。私、本当にライオンと戦わなくてはいけないの?」
「ウエヘヘ。君は天才トランポリン少女なんだから、みんなに夢を与えなきゃ」
そうかなあ?
「ねえ、次はワニと一緒に一週間生活するの?」
「ウエヘヘ。みんな君に期待しているんだから、頑張らなきゃダメだよ」
仕事がどんどんおかしなものになっていく。
「ウエヘヘ。今度はトランポリンで宇宙人と交信しながら、ゴリラと大八車でゲテモノ屋を巡るロケだよ」
「もう嫌よ、こんな仕事!」
私は、とうとう我慢の限界に達した。
「芸能界なんて、もうコリゴリ。やめてやるわ!」
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