第2話

こうしてカイは、アルデン村を守ることで、自らの「冒険の始まり」を掴むこととなる。

その旅路は、仲間との出会いと、数多の試練に満ちていた。


村を後にして二日目の夕暮れ。

森を抜け、街道沿いの焚き火に照らされた人影に、カイは足を止めた。


「おや、見慣れない顔だな。旅人か?」

低く落ち着いた声で問いかけてきたのは、背に長弓を背負った青年だった。髪は淡い栗色で、鋭い眼差しには荒事に慣れた気配が漂う。


「……はい。アルデン村から来ました。僕はカイといいます」

「アルデン? あの辺りは魔物が増えていると聞くが……無事だったのか」


青年は名をライエルと名乗った。放浪の弓使いで、各地を巡りながら腕を磨き、時に賞金首を狩るのが生業らしい。


互いに自己紹介を交わし、焚き火を囲むと、ライエルはふと笑みを浮かべた。

「一人で旅をしているなら、手を組むのも悪くない。俺も西の街を目指しているところだ」


カイは迷った。見知らぬ相手と行動を共にするのは危険かもしれない。しかし、胸の奥で、あの村を守った時の勇気が小さく囁く。

――これは、きっと新しい一歩だ、と。


「ぜひ、お願いします」


こうしてカイは最初の仲間を得た。

しかしその夜、街道を行く二人を、森の奥から赤い光がじっと見つめていた。

それはただの獣ではなく、闇に潜む“災厄のしるし”であることを、この時のカイはまだ知らなかった。

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