第3話 カスタネット犬

おかりなマンとオカリーナちゃんは、

カスタネット犬・タンタンと一緒に、暮らしている。


タンタンの秘密


タンタンは、頭がまあるい木のカスタネットの形をしている不思議なワンちゃん。

「ワンワン!」とは鳴かず、

「タン!タン!」とリズムよく鳴く……はずなんだけど、

まだまだ、子どもなので

時々「タン…タタ? タン!」と変なリズムになってしまい、

オカリーナちゃんに

「タンタン、今日も裏拍が迷子になってるよ〜」

と笑われてしまう。


名前をつけたのもオカリーナちゃん。

「だって“タンタン”って鳴くんだもん!」と、すごく気に入っている。


🎶 いつもの練習風景


おかりなマンがアルトC管を背負い、

オカリーナちゃんがソプラノC管を胸にかかえて「よし、練習だ!」と声をかけると、

タンタンはしっぽを高速で振りながらかけ寄ってくる。


「ボクも行く〜!」

と言わんばかりに、タン!タン!と鳴きながら2人のあとをついていく。


公園につくと、

おかりなマンは深呼吸、

オカリーナちゃんは楽しそうにストレッチ、

タンタンはその横でカスタネット頭をカチカチ鳴らす練習。


🥁 今日の課題:リズムの“裏”をとる練習


おかりなマンがメトロノームをカチッ…カチッ…と鳴らしはじめた。


「今日は《裏拍》だよ!

カチッの合間にタンと鳴らすんだよ、タンタン!」


オカリーナちゃんがやさしく説明すると、

タンタンはやる気満々で胸を張る。


だが……


「カチッ」→(タン!)

……うん、表だ。


「カチッ」→(タン!!)

……やっぱり表だ。


「タンタン、裏はこっちだよ〜」

オカリーナちゃんは手拍子で教えるが、

タンタンは手拍子に合わせて元気に

「タンタンタンタン!」と連打しはじめてしまう。


😂 まだまだ修行中!


おかりなマンが笑いながら言った。


「まあまあ、急がずゆっくりやろう。」


オカリーナちゃんも、

「タンタン、今日できなくても、だんだん上手になるよ」

と頭をなでる。


タンタンはうれしそうに「タン!」と鳴くが、

その音はまた表拍にピッタリだった。


でも、3人での練習は今日もとても楽しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ソラシド! おかりなマン! @shinji03

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る