笑ひの鉛

嗚呼、笑ふ者よ、そなたの舌は錆びてゐる

人の涙を甘く舐めることを覚え、

胸の内の鉛は重く、影は自らを穿つ


蜜の味など幻、空の泡に過ぎぬ

愚かなる者の喜びは風に散り、

夜の闇に小石のやうに響くのみ


そなたらの宴は墓の灯火、

笑ひは鈍き刃となりて己に返る

嗚呼、我は見た、失敗作の群れ、

己を笑ひ、人を蹴り、世界を傷つける者どもを

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