腐る水燃ゆる砂ー解説
この詩では、孤独と絶望、そして届かぬ痛みに揺れる心を鮮明に描いたつもりです。
冒頭の「手を伸ばせば霧が絡む、幻の手に触れたはずが血に変わってしまった!」という表現では、信じたい、触れたいという思いがあるにもかかわらず、現実はいつも逃げ去り、得られないことの痛みを表しています。手に触れるはずの温もりは、幻や血のように変わり果て、心に刺さるのです。
続く「誰もいないとは言えぬ、いや、いるかもしれぬ、でも影だけが踊る、揺れて、裂けて、止まらぬ」という部分では、孤独と不安の揺らぎが描いています。本当に助けはあるのか、それともないのか、確信が持てない。見えるのは影だけで、その影は絶えず動き、心の内側をかき乱します。この揺れは、心が安らぐことのない、終わりのない痛みを象徴しています。
「胸の中で水が腐り、砂が燃え、声は泡になり、空気に溶け」という比喩をつかい、感情の混乱と絶望の広がりを描きました。水や砂の変化、声の消える様子は、心の中で痛みが変形し、拡散し、外に伝わらないもどかしさを表現しています。それでも最後に「それでも、まだ届かぬ痛みを抱え、わたしは叫ぶのだ!」と書くことで、絶望の中にあっても自分の存在や感情を外に放つ意思を示し、読者の皆様に強い生命感を伝えられていたら嬉しいです。
この詩は、人を信じることの難しさや、孤独と痛みを抱えながらも生き続ける心の叫びを、痛々しい比喩で表現しました。皆様には言葉の隙間や比喩の奥に、苗木の内面の叫びや感情の奔流を感じ取ってもらえたらと思います。
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