第2話 女の子になりました。なんで?

「これからお兄ってよりお姉って読んだ方がいいのかな」

「知らんわ好きにしろやい」

「注目する所そこなのねぇ」

洗面所で叫んだ後、ドタドタと足音を鳴らしながら我が妹が「うるさいよ!」と言ってきたが、僕を見た瞬間「きゃぁぁぁぁぁ!」と言っていたので頭の中でお前もうるさいよと言っておいた。

その後母さんは「あらまぁ」と言い父さんは「俺の息子が娘になった…だと…?」と困惑していた。ついでに俺の息子も消えてた。

もちろんその後は家族会議になり、とりあえず学校は休むことにして、服や下着やらを買いに行くという話になった。

「にしてもお兄、身長縮んだね。私よりも少し高いくらい。」

「お兄って呼ぶことにしたのか。まあその方がしっくりくるしいいか。」

そう、女体化したということは容姿も変わったのだ。170くらいあった身長は160あたりになっていた。そして髪も腰辺りまで伸びていた。これで僕も黒髪ストレートを体感できた。そう思うことにしよう。顔は……多分可愛い方だろう。きっと多分maybe。

「服買い行くわよぉー」

なんやかんや話してたら外出する時間になった。服はとりあえず一歌の短パンと白Tを借りた。友人やクラスメイトが学校にいる時に外出するこの背徳感……いいねぇ……

と思いながら車に乗り着いたのは大型ショッピングモール。最近できたらしい。

「まずは服を見に行きましょう。」

「さんせー!お兄に合う服を選んであげるよ。」

「服は全部任せる。僕は何も分からないからな。」

「……お兄、声に反して口調が合ってないよ。もっと女の子っぽくしてみたら?」

「なんだよいきなり。そう言われてもなぁ。」

服を選ぶ話だったのになんか僕の口調の話になってるな。女の子っほい口調ってなんだ?「何とかちゃん!」とか言ったらいいのか?まああんま気にしなくてもいいか。

と考えていると服屋に着いたようだ。

「お兄!これ着てみてよ!」

「四季?これも着てみて?」

……まあそうなるだろうなと思ったが僕は着せ替え人形にされていた。服と言えば制服はどうしようと思って聞いてみたら

「採寸してから買うわね?」

と言っていた。いつ採寸するんだろう。

そうして着せ替え人形タイムが終わって、数着買うことになった。次に行った場所は

「…入りにくいなぁ。」

「何言ってるのよ。四季は女の子なのよ?これから何度か来るかもしれないんだから慣れときなさい?」

「慣れるかなぁ」

そう、下着屋だ。当然見た目は女の子でも心は男なのだから多少の抵抗感はある。でも入らなければならないので、渋々入ることにした。

「で、どれを買うの?それも任せるよ」

「何言ってんのお兄。選ぶより先に採寸しなきゃ。」

「なんで…あぁ、そっかぁ」

採寸したら買うって言ってた理由がこれか。そりゃそうだよな、僕にはなかなかの果実が着いているのだから、調べなきゃだよな。

そうして測ったところ、Dカップだったらしい。うん、大きいのか小さいのかよく分かんないけどとりあえずよしとしよう。

それから下着を選び、その流れで制服も買いに行った。

買い物が終わり、家に帰って来る頃には夜になっていたので、ご飯を食べ、風呂に入り、自分の部屋に行ってベットにダイブした。風呂もトイレも慣れなくて手こずったが、なんとかやり遂げた。そのせいか、今日一日はどっと疲れた。

「明日が土日で良かったわぁ。」

そんなことを呟きながら、程よい睡魔が襲っていたので、身を任せるように目を瞑った。

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