第7話タイガースファンのツバオ

『翻訳機が繋ぐ、笑いとツッコミの方言混合劇場!』

 小倉家の庭先、夕暮れ時。

 『優馬、美鈴、美香、双子の光子・優子がスマホの**燕語翻訳機(AI搭載)**で、空のツバメ夫婦に連絡中。


 優馬(博多弁)

「ツバオさん、ツバミさん、無事に着いとるとね?

 こげん遅かと、ちょっと心配したばい!」


 ピピッ、翻訳機が反応!


 ツバオ(大阪弁変換)

「おう、着いたで!ちょっと道草しとってんな〜。

 せやけどな?“頼りないのはええ知らせ”ちゅうやんか〜(ドヤ)」


 一瞬の沈黙。


 ツバミ(大阪弁で秒ツッコミ)

「アホか!!それ、どこの昭和のことわざやねん!

 そんなんで心配してくれとる人に安心感与えられるかいな!」


 美鈴(苦笑しつつ)

「は〜、やっぱツバミさんのツッコミ、めっちゃキレとるばい…」


 美香

「ツバオさん、道草って…今回はどこ寄っとったと?」


 ツバオ

「うーん、途中で甲子園の上空通ってな、

 タイガースの応援してたんや。気ぃついたらちょっと北向いてしもててな?」


 ツバミ

「そら“ちょっと”やのーて、“だいぶ”や!!

 あんた、方向感覚ゼロか!GPSあっても迷子になる才能どこで磨いてきたんや!」


 光子&優子(キャッキャ)

「ツバミおばちゃん、キレキレ〜!」


 優馬(苦笑しながら)

「そんなんでようインドネシアまで来たばい…」


 ツバスケ(後方からひょっこり)

「パパら、もはや“渡り鳥”やのーて、“寄り道鳥”やな…」


 つばまる「せやな、

 パパら、飛行ルートよりネタ拾い優先やし。」


 ナレーション(美香・博多弁)

 ツバオさんとツバミさん、ホントに自由すぎるばい……

 でも、なんやかんやで絶対帰ってきてくれるとがうれしかとよね




『甲子園の呪い!?ツバメの渡りがまたもや脱線〜!』

 春。桜舞う中、小倉家の上空に――

「帰ってきたばい!ツバメさんや〜!」

 光子&優子が手を振る中、空からヒュイ〜ンと舞い降りる…かと思いきや…


 その頃、甲子園上空。

 ツバスケ「おおおおお!!!打ったぁぁぁぁぁ!さっすが佐藤輝明!!」

(上空でホバリングしながら、観客の歓声に混じって応援)


 ツバコ「……は?なにしてんの、あんた??」


 ツバスケ「え?せっかく関西通るし、

 ちょっと一試合……だけのつもりやってん」


 そして…

 ツバスケ、気づけば3試合連続観戦!!


 金曜ナイター → 土曜デーゲーム → 日曜またナイター


 月曜、小倉家の軒先。ようやく帰還。

 ツバスケ「ただいま〜」


 ツバコ「“ただいま”やないっっ!!!」


 ツバスケ「いや〜甲子園って、やっぱ聖地やな!球場メシもうま……」


 ツバコ「誰が今、“球場メシ”の話しろ言うた!!

 もう、ちーっとは渡り鳥の自覚持てーーー!!」


 美香(スマホで翻訳アプリぽちっ)

「えーっと、ツバコさん曰く……

 “お前、飛ぶより応援の方が本職ちゃうんかい!”やて」


 美鈴「そりゃ怒るばい…」


 優馬「でも、ツバスケさんの気持ちもちょっとわかるっちゃけどね…タイガース今年強かし…」


 つばたろう(兄貴分の冷静ツバメ)

「もううちの一族、渡り鳥やなくて観戦鳥に改名したらどや?」


 つばまる「チュールより六甲おろしに反応しよるやん…」


 ツバコ、しばらく“羽ばたき禁止令”発令!

「もう次は絶対に途中下車禁止!

 通過したってGPS記録見とるけんな!!」


 今日の名言(ツバコ、羽バサァァして一言)

「タイガースが勝つのは嬉しいけど、

 渡りは、勝ち負けよりタイミングやっ!!」




『飛んでる場合やない!空中六甲おろし大合唱事件』

【場所:甲子園上空・三塁側あたり】

 ツバスケ「いくでーっ!

  ろっこうおろし~」

(羽ばたきつつ、空中でエア・ジェット風切り音)


 ツバオ(どこからともなく参戦)「♪ そうだ〜 勝つぞ タイガースぅぅ!」


 つばまる「ええ声出とる〜!」


 ツバミ(遠くから飛んできて)

「って、あんたらなにやっとんねんっっ!!

 空中大合唱て、ここ渡りのルートやろ!!」


 上空から降り注ぐ“六甲おろし”、

 SNSで話題に!トレンド入り!


 《【謎】甲子園上空から“応援歌”!?鳥の合唱にネット騒然》


 小倉家

 美香「……ちょ、またツバスケさんら甲子園寄ってるってよ」


 優馬「うわ〜、またやっちゃってるばい」


 美鈴「渡りやめて、もう“巡礼”やね」


 双子ちゃん「おうえんがとんでくるぅ〜!!」

(ベランダでポンポン振る)


 ツバコ、スマホで連絡(翻訳機フル活用)

 ツバコ《GPS確認済。試合終了まで上空ホバリングやったね?》

 《帰ってきたら、家族会議やけんね!?》


 ツバスケ「えっ……や、やば……帰らな……!」


 ツバオ「でも次のカード、阪神×巨人やで!?」


 ツバミ「帰らんかーーーーーい!!!!!」


 その夜、小倉家・軒先家族会議(空中)

 ツバコ「次に応援のためにルート外れたら、

 ツバメじゃなくて、“観客”認定するけんね!!」


 ツバスケ「えええぇえ!?チュールもらえんの!?」


 つばたろう「つば一族の伝統って……なんやろな……」


 オチの一言(by ツバオ)

「なぁ……もういっそ、甲子園に巣つくろか?」


 ツバミ&ツバコ「アカーーーーン!!!」



『餌より野球!?ツバスケ、空中ラジオで大炎上!』

 ある昼下がり。福岡某所上空。

 ツバスケ「……おっ、交流戦始まっとるやん!

 阪神vsソフトバンクとか、まじ熱いやつや!!」

(スマホにイヤホン突っ込んで、空中ラジコ観戦モード)


 つばみん(子供・しっかり者)「……パパ、餌は?」


 ツバスケ「あとでな、あとで。今、3回裏で1アウト走者一塁…ええ場面やん…!」


 地上では、ヒナたちの腹ペコ警報発令中!

 つばこ(鬼の形相で戻ってくる)

「アンタ!なに上空でホバリングしながら中継聴いとんねん!

 餌、どこなん!?この子らピィピィ言いよるやろ!!」


 つばたろう「また野球かいな…

 そのうち“観戦中毒症”って診断されるで……」


 つばみん(冷静にブーイング)

「パパって、

 “渡り鳥”やのーて“野球ファン鳥”やん……」


 つばまる(弟・真顔)


「もはや“餌取り”より“スコア取り”の方が得意やしな」


 小倉家・夕方の庭先

 美香「今日もツバスケさん、上空からラジオ流しよったらしいよ」


 双子ちゃん「おなかすいたってピィピィしよったもんね〜」


 美鈴「……餌やらんツバメは、

 ただのホバリングおじさんたいね……」


 優馬「もう“実況解説係”として仕事変えたらよかやん……」


 ツバコ、全羽力で怒鳴る

「ええか!?

 明日からは餌10匹捕まえるまでラジオ禁止!

 1匹に付き、1イニングや!逆数契約やけんね!」


 ツバスケ「えぇぇ〜!?

 じゃあ延長12回とかになったら……ワシ餌30匹?」


 つばみん「当然やろ。命がかかっとるんやし。」


 オチの一言(ツバミさんが遠くからバサバサ飛来)

「餌も取らんツバメが、

 “バードキャスター”気取るなぁああ!!」




 それでも「好きやねん」言うたら勝ちやろ!

 ツバコ、ツバスケへの愛、炸裂やぁぁああ!!



『なんやかんやで、うち、アンタが好きやねん』

 夕暮れ、小倉家のベランダ。双子ちゃんが翻訳機でツバメ語をモニタリング中

 光子「ねぇねぇ、優子、いまの聞いた?」


 優子「うん、聞こえたっちゃ!ツバコさん、言ったと!」


 翻訳機:「うち、あんたに呆れてるで。

 でもな――やっぱり、好きやねん。」


 光子・優子「キャーーーーッ!!」


 上空、夕焼けをバックにラブラブのツバメ夫婦

 ツバスケ(照れ笑い)「……ホンマかいな?」


 ツバコ(そっぽ向いて)「せやから、1回しか言わへん言うたやろ。

 次同じことしたら……羽むしるで」


 ツバスケ(ポッ)「……やっぱワシ、世界で一番ええ嫁もろたわ〜」


 ツバコ「アホちゃう、照れるやろがい」


 美香(ニヤニヤしながら双子に)

「ね?ほんと、

 もう“ツバメ界の優馬と美鈴”って感じよねぇ〜〜!」


 優馬(読んでた新聞から顔上げて)


「え、ちょ、俺らそんなツバメ級の騒動しとらんばい」


 美鈴「……うちも“羽むしる”くらいは言うたことあるばい」


 双子「熱っっっ!!」


 つばみん&つばまる(空中から遠巻きに)

「マジで……うちの両親、ラブコメ漫画やん……」


「ブーイングからの愛の告白とか、

 もう“渡り鳥ラブストーリー”って新ジャンル作れるやろ」


 ツバオとツバミ(草葉の陰から見守り中)

 ツバオ「やるやん、ツバスケ……

 うちの若い頃みたいやの〜。な、ツバミ?」


 ツバミ「……昔も今も、アンタのせいで迷子なっとるわ」


 ツバオ「せやけど、なぁ……

 “好きやねん”って言われたら、全部報われるやん?」


 ツバミ(ちょっと照れて)「……バカ」



『ツバミのジト目は地球を凍らせる』

 ある日の昼下がり。木陰でツバオ&ツバミ、夫婦トーク中。

 ツバオ「……なぁツバミ、

 オレらが南に向かう時って、ちゃんと真っ直ぐ行った年、あったっけ?」


 ツバミ(すかさずジト目)


「は?」


 ツバオ「いや、ふと思ってんけどな?

 もしかしてワシ、毎年どっか迷子なっとる……?」


 ツバミ「“もしかして”やのうて、“確実に”や。」


 ツバオ「……あ、やっぱり?」


 ツバミ、羽を広げて冷静に怒り

「2021年、マニラ行くはずが台湾寄って…

 2022年、スマホ落として逆戻り…

 2023年、グアムで観光して羽伸ばしすぎて合流遅刻…

 2024年、なんでか知らんけど北海道おったよな?」


 ツバオ「……覚えとるやん」


 ツバミ「全部“GPSつける前”の話や。

 つけても迷子になっとるけどな。」


 つばたろう(遠くで聞いてる)

「ワシら、あんなんのDNA背負って生きてんのか……」


 つばみん「逆にあれで一家まとめられるツバミさん、神やろ」


 小倉家の軒先にて

 光子「またツバオさん、怒られとったばいね〜」


 優子「“ジト目、威力高すぎ”って美香姉ちゃん言っとった!」


 美香「もうあれ、凍てつく羽ばたきLv.100よ。

 ツバオさん、よう毎年無事帰ってこれとるばい…」


 優馬「たぶん、愛とツッコミが命綱やね……」


 美鈴「うちもたまに使うっちゃ、あの“ジト目”。

 効き目?絶大ばい」


 オチの一言(遠くから羽ばたきながらツバオのぼやき)

「…なんやかんや言うても、

 オレがここに戻れるのは、ツバミのおかげやわ……

 ジト目も、優しさの裏返しやからな……(遠い目)」


 ツバミ「聞こえとるわボケぇぇぇぇッ!!」


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