第8章 メツボウはつくれる! その1

ピンポーン


インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。


「NMKからきました。」


目津房さんだった。


今日は「NMKをー、ブッ飛ばーす!」という意気込みで、目津房さんに“ちょっとした提案”をしようと思っている。


「とにかく、私の話を聞いてください!日本は滅亡…」


「ちょっと待って!!」


「へっ?!」


「目津房さん!」


「今日は、「これまでの予言のまとめ」をやらない?」


「これまでの予言のまとめ…ですか?」


「うん。これまでの目津房さんの予言を聞いてて思ったことがあるから、聞いて欲しいんだけど…」


「はい!いいですよ!」


「どんな感想をお持ちになられたんですか?」


「うん。目津房さんに聞かせてもらった予言には、いろいろ“共通点”があると思うんだよ。」


「共通点…ですか?」


「うん。まず、予言のジャンルに共通点があると思うんだ。」


「ジャンルの共通点?」


「「インディーズ系ニューカマー」と「メジャー系+α(プラスアルファ)」が多い気がしたんだよ。」


「インディーズ系ニューカマーというと…、グンマ少年と石川の巫女さん、エリオおじさんと沈黙の巫女さんですね。」


「そう。そしてメジャー系+αは、ホピ族の予言でいうと3I/ATLAS(スリーアイアトラス)が、冝保愛子さんやマヤの予言でいうと2025年に関する予言が“+α”に該当すると思うんだ。」


「なるほど…」


「そういうジャンルが今の“予言界隈のトレンド”なんじゃないかな?」


「トレンド…ですか。あんまりそういうことは考えたことなかったですね…。」


「で、次に、それぞれの予言の特徴にも共通点があると思ったんだよ。」


「特徴の共通点?」


「うん。気づいた特徴は…」


・予言が「ポエム」風

・予言の発表が「後だしジャンケン」風

・数字に特別な意味をもたせる

・突然現れる学術用語

・天文学的要素と占星術

・量子力学要素

・自然現象を暗示にする

・有名な星(オリオン座とか)との関連を匂わす

・「SNSで話題」という偽情報

・捏ぞ…オリジナルエピソード

・「人類の意識の変革」へのこだわり

・微妙に今の社会情勢に沿った予言

・的中がこじつけ

・“盛った”的中率


私は思いついた予言の特徴について羅列して目津房さんに伝えた。


「ちょくちょく聞き捨てならない特徴もありましたが、まぁいいでしょう。」


「それで…、ジャンルや特徴の共通点をまとめたところで何かあるんですか?」


「うん、これらの共通点からちょっとしたアイデアを思いついたんだよ!」


「アイデア?」


「そう!それは…」


「あ、ちょっと待ってください!」


「へ?」


「もうこんな時間…。他のお宅に予言を伝える時間が…」


「あ、ごめんごめん。」


「そのアイデアについては、明日聞かせてくださいね!」


そう言うと目津房さんは、スタスタとどこかへ行ってしまった。

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