第6章 エリオ・ブレスレンの予言 その2
ピンポーン
インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。
「NMKからきました。」
目津房さんだった。
「私の話の続きを聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」
今日は、エリオ・ブレスレン改めエリオおじさんの予言について、目津房さんに
教えてもらうことになっていた。
「エリオおじさんが最初に行った予言は、2023年1月にされたものとされていて、
内容は「2ヶ月後、巨大なデジタル帝国が崩壊する」というものでした。」
「そして、2023年3月、アメリカの「シリコンバレー銀行が経営破綻」しました。」
「シリコンバレー銀行?聞いたことないけど…」
「アメリカのIT系スタートアップ企業やベンチャーキャピタルを主な顧客にした、デジタル・テック業界の象徴的な、いわゆる巨大なデジタル帝国といっても差し支えない銀行でした。」
「じゃぁ、予言は的中していたってこと?」
「そういうことになりますね。」
「エリオおじさんが的中させた予言は他にもあります。」
「エリオおじさんは、「2023年7月の最後の日、2つの世界が衝突する」と予言しま
した。」
「実際に2023年7月末頃、実際にアメリカと中国間の深刻な外交や経済衝突が起きました。」
「具体的には、米中間のサイバーセキュリティや技術輸出規制をめぐる緊張が
高まり、中国政府がアメリカのNVIDIAに対し「深刻なセキュリティ脆弱性」の説明を求めるという事態が発生しました。」
「うーん、なんか的中してるような気もするし、“いつものこと”っていう気もするんだけど…」
目津房さんは無視して話を続けた…。
「次の予言は「2024年初頭に東の海から巨大な嵐が起こる」というものです。」
「これは、2023年12月下旬から2024年1月にかけてオーストラリアで発生した、
「サイクロン・ジャスパー」のことを予言していたとされます。」
「このサイクロンは、記録的な豪雨を引き起こし、歴史上最も雨量の多い熱帯サイクロンとなりました。」
オーストラリアって、アメリカから見れば“西”なんじゃないか?と思ったが、口には出さないでいた…。
「次は、「2024年頃に国の中南部で大災害が発生する」というものですね。」
「2024年9月にアメリカ中南部を襲ったハリケーン「ヘレン」の大規模洪水と被害
です。」
「このハリケーンはカテゴリー4の強風と記録的な豪雨を引き起こし、中南部地域で死者200人以上、洪水被害が数兆円規模に及んだとされています。」
「知らなかった…。アメリカでそんな自然災害が起こってたなんて…」
「そして、最後の“的中した”予言は、「2024年頃に日本の内閣総辞職がある」です。」
ん?今、最後って言った?的中させた予言は47個あるんじゃないの?
そう思ったが、目津房さんのエンジンが暖まっているようだったので黙っていた。
「これは、2024年10月1日の岸田内閣の総辞職のことを予言していたとされて
います。」
「これは知ってる!その後、石破さんが総理大臣になったんだよね!」
「そうなんです!すごいと思いませんか?」
「うん、すごいと思う!」
これに関してはそう思った。
「と、そんな感じでエリオおじさんは様々な予言を的中させてきたんです!」
「そして…、エリオおじさんは2025年以降の日本についてもいくつか予言をして
いるんです!」
「え?今の日本のことも予言してるの?」
「そうです。それについては、また明日、お話することにしますね!」
そう言うと、目津房さんは踵を返して去って行った…。
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