第6章 エリオ・ブレスレンの予言 その1

ピンポーン


インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。


「NMKからきました。」


目津房さんだった。


NMK、正式名称は日本滅亡協会…。

“滅亡予言の布教”以外に、日本滅亡協会はどんな活動をしているのだろうか?


「とにかく、私の話を聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」


目津房さんは、新しい“滅亡予言”を聞かせてくれるようだ。


「エリオ・ブレスレンって知ってますか?」


「2025年の9月頃からネットで話題になってるインディーズ系予言者のニューカマーです!」


「またインディーズ系?しかも新人?」


「そうです!このエリオ・ブレスレンっていう新人予言者はすごいんです!」


「2023年に予言を発表してから、47個の予言を的中させているんです!」


「へぇ、そのエリオ・ブレスケアさんってどんな人なの?」


「ブレスケアじゃありません!“ブレスレン”です!」


「エリオ・ブレスレン…、これからエリオおじさんって呼びますね。」


「新人だけど“おじさん”なんだw」


「エリオおじさんは、アメリカ、アイオワ州の小さな町で工場労働者として暮らす

普通の男性です。」


「予言をするまで、不思議な能力があったとか、そういう話はいっさいなく、何十年も工場で働いていた普通のおじさんなんです。」


「ホントに“普通のおじさん”だったんだね?」


「そうです。本当に“普通のおじさん”だったんです、予言をするまでは…」


「そんなエリオおじさんは、普段通っている「「眠りと覚醒の教会」で2023年初頭に、突然“ビジョン”を見たというのです。」


「「眠りと覚醒の教会」って何?」


「エリオおじさんの地元の小規模なサークルみたいなものですかね。」


「“睡眠と覚醒”をテーマとした精神探求のためのサークルのようです。」


「キリスト教の要素を基調としつつ、瞑想などを通じて“半覚醒状態”となり、神聖なビジョンを得ることを目的としているみたいですね。」


「怪しいサークルなんだね。」


「怪しいかどうかは個人の主観なので否定はしませんが、とにかくそういうサークルだと言われています。」


「エリオおじさんは、そこで得られたビジョンを予言としてSNSに投稿したところ

話題になったというわけです。」


「エリオおじさんの予言ってどんなものがあるの?」


「それでは、エリオおじさんの予言については明日お話することにしましょう!」


そう言うと目津房さんは背を向けて帰って行った。

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