第5章 よーさんの予言 その2

ピンポーン


インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。


「NMKからきました。」


目津房さんだった。


「私の話の続きを聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」


今日の話題は、昨日の“よーさんの予言”の続きだった。


「よーさんの予言は、いろいろな分野のことを語っています。」


「まず、“世界の構造”について。」


「なんか、いきなりスケールがデカい話をするんだね。」


「よーさんが一番最初に書き込みしたのが、この“世界の構造”についての書き込み

だったんです。」


「よーさんは、世界は「一つ意志によって導かれてるって言ってる人たちが大勢いるよー。」と言いつつ、「実は一つと思ってたものが二つだったりするよー。」と言っています。」


「そして、「世界の人たちには一つなんだって思い込んでて欲しいなーって思ってる人たちがいるよー。」と言っています。」


「つまり、世界は“一つの意思”に導かれてるわけじゃないのに、“そう思わせたい人たち”がいるってこと?まるで陰謀論みたいだね…」


「そうですね。しかし、よーさんはこんなことも言っています。」


「「そのことがみんな何となく分かるようになってくるよー。」と。」


「そして、「どっちが正しいのか分からなくて困っちゃう人がいっぱい出てくるよー」とも言っています。」


「なんか最近の“陰謀論ブーム”のことを言ってるような気がするな。」


「これって、2012年の予言なんだよね?その頃って、今みたいに陰謀論は

流行ってなかったような…。」


今回の目津房さんの予言は期待できそうだった…。


「さらに、よーさんは「本当の本当は、この世界は三つ巴だったりするよー。これ

すごく重要だよー。」と付け加えます。」


「一つだと思ってた世界が二つあるってわかったけど、実は三つだった…」


「これは、どういうことを暗示しているのかな?」


「お決まりの“人類の意識の変革”的なことなのかな?」


「そうですね…、そのように感じることもできますね。」


「よーさんの予言の次のトピックは“怖い人たちの出現”です。」


「世界が一つでないことに人々が気づき始めると、「怖い人たち出てくるよー。」と、よーさんは言っています。」


「怖い人たちには、“大人しい人たち”や“親切な人たち”、“暴れちゃう人”や“人を

悪魔扱いする人”がたくさんいるといっています。」


「暴れちゃったり、人を悪魔扱いする人が怖いのはわかるけど、大人しい人や親切な人が怖い人とは思えないかな。」


「おそらく、この発言は“色々なタイプの権力者や有名人が次々に現れる”ということを言いたいのではないでしょうか。」


「あー、“怖い人”イコール“権力者や有名人”っていうわけね。」


「そうですね。よーさんは、怖い人たちが「良いこといっぱいしてくれるよー。」、「悪いこともいっぱいしてくれるよー。」とも発言しているので、おそらく、そう

いうことなんでしょう。」


「そして、よーさんは「怖い人たちになれない人たちもいーっぱいいるよー。」と

続けます。」


「なんか、怖い人が権力者や有名人のことだとすると、学歴社会や出世競争だったり、インフルエンサーに憧れる昨今の若者たちを想像しちゃうなぁ。」


「そう考えると、よーさんの予言って結構当たってると思いませんか?」


「うん。そうだね!」


なかなか信ぴょう性のある話ではあるが、元々の予言がフワッとしてるからどうと

でも解釈することは可能だよな…

そう思ってもいたが黙っていた。


「長くなってしまったので、続きは明日お話しましょう!」


そう言うと、目津房さんは踵を返して去って行った…。

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