第5章 よーさんの予言 その1

ピンポーン


インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。


「NMKからきました。」


目津房さんだった。


“NMK”…、『日本滅亡協会』。

日本滅亡協会って凄い名前だよな…。


「とにかく、私の話を聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」


目津房さんは、新しい“滅亡予言”を聞かせてくれるようだ。


「「よーさん」て知ってますか?!」


「え?誰?近所の有名人とか?」


「違います!予言者です!」


「え?有名な予言者さんの愛称かな?」


「愛称…、というのは間違ってないかもしれないですね。」


「「よーさん」というのは、2012年に匿名掲示板に現れた、いわゆる

“インディーズ系”の予言者です!」


「ほう。今回はインディーズ系の予言を教えてくれるんだね?」


「そうです。よーさんの語尾は、ほとんどが「よー」で終わるんです。」


「なので、「よーさん」と呼ばれるんですね。」


「また、よーさん自身も「よー」というトリップを付けていたらしいので、自他公認の愛称ということになりますね。」


「なんか今日の話は面白そうだね!」


すると目津房さんは、聞こえるか聞こえないかという声量でつぶやいた…


「ただ…、今回の予言は滅亡しなさそうなんですけど…」


「とにかく!今回の予言は風変りで面白いんですよ!」


目津房さんの声量はいつもの感じに戻っていた。


「よーさんの予言は語尾もさることながら、内容が“フワッと”としていて、なかなか趣深いんですよ!」


「へー。どんな感じなの?」


「「早速だけど世界の秘密いくよー」って感じですね。」


「これは、よーさんの最初の書き込みなんですが、よーさんの書き込みというか予言は、終始こんな感じなんですよ。」


「なかなかユニークな予言なんだねぇ。」


「内容はどんな感じなの?」


「なんか、いろんなことを言ってますね。」


「すごいフワッとしてるねぇ。」


「仕方ないじゃないですかー!そういう予言なんですから!」



「もうちょっと具体的になんないかな?」


「そうですね…、世界の構造とか、人間の本質だとか、食べ物の話とか、女性の役割とか、陰謀論とか、世界情勢とか…、って感じですねぇ…」


「本当にいろんなことを言ってるねw」


「そうなんですよ。よーさん、いろんなことに言及しているのでw」


「それじゃぁ、明日はトピックごとに、よーさんの予言について解説しますね!」


そう言うと目津房さんは背を向けて帰って行った。

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