第4章 マヤの予言再び その3
ピンポーン
インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。
「NMKからきました。」
目津房さんだった。
「私の話の続きを聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」
今日は目津房さんから「マヤの予言の新解釈」を教えてもらうこととなっていた。
「マヤ文明では13バクトゥンが“一つの世界の期間”を意味するということは先日説明しましたよね?」
「マヤ文明では“13”という数字を、“完成”を表す数字と考えていて、生命のサイクルや秩序はこの数字で成り立っていると思われていました。」
「それとマヤの予言にどういう関係があるの?」
「2012年12月21日に、“前の世界”が終わって、今は“新しい世界”となりました。」
「そして、今までは“新しい世界”に慣れるための“準備期間”だったわけです!」
準備期間?
なんか“後付け”の香りが漂ってきたぞ…。
「そして、“13”年の期間をかけて2025年12月21日に、その準備期間が終わろうと
しているのです。」
「準備期間って、何を準備してたの?」
「“意識の変革”のための準備です!」
「簡単に言うと…、三次元的意識から五次元的意識への“アセンション”への準備
です!」
いや、余計わからなくなったよ。
言いそうになったが、エンジンが暖まってきた目津房さんの興を削がないよう
言いとどまった。
「“マンデラ・エフェクト”って知ってますか?」
また何か“パワーワード”が出てきたぞ!
私の悪い癖なのだが、ツッコミどころが多そうな話を聞くとワクワクしてくるのだ。
「聞いたことあるよ!親父が「大田区の“大”って、昔は“太”じゃなかったか?」って言ってたけど、そういうやつでしょ?」
「そうです!まさにそれです!!」
「マンデラ・エフェクトの“マンデラ”って何?」
「南アフリカの初代大統領である“ネルソン・マンデラ”氏が由来ですね。」
「マンデラ氏は、2013年に天寿をまっとうされたんですが、その時に、「マンデラ氏は1980年代、収監中に亡くなったはずだ!」と訴える人がとても多かったそう
です。」
「この出来事から、多数の人が事実や出来事を誤って記憶する現象のことを
マンデラ・エフェクトと呼ぶようになったんです。」
「へー、そういう由来なんだねぇ。」
「日本で有名なマンデラ・エフェクトの例は、先ほどの“大田区”の他には、
“オーストラリアの位置”や“大人気な電気ネズミの尻尾”などがありますね!」
「あ、それも聞いたことがあるかも。」
「マンデラ・エフェクトがマンデラ氏の逝去を発端として広く知られるようになったように、2013年から…、つまり、“新しい世界”になってから、“違う記憶”を持つと
される人々が増えていきました。」
「これは、意識の変革を終えた人と、そうでない人との違いなのだそうです。」
「マンデラ・エフェクトが意識の変革が始まった証拠だっていうの?」
「そうです!他にも意識の変革が引き起こしたと思われるものがあるのですが…、
今日は話が長くなってしまったので、続きは明日にしましょう!」
そう言うと目津房さんはスキップしながら帰って行った。
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