第3章 群馬の12歳少年と石川の巫女の予言 その3

ピンポーン


インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。


「NMKからきました。」


目津房さんだった。


「私の話の続きを聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」


今日は、グンマ少年と巫女さんの豪華予言2本立てを目津房さんにお話してもらう

こととなっていた。


「グンマ少年と巫女さんは、どんな予言をしているの?」


「グンマ少年は、こんな予言をしています。」


『舞台の上に立っている人が引きずり降ろされます。』

『そして、その瞬間に、空中に無数の書類が舞い始めます。』

『その書類には署名や印鑑が押されていて、次第に薄くなっていきます。』

『その後、舞台には真っ黒な服を着た人が現れ、大きな印鑑を取り出して何かの書類に押そうとします。』

『舞台の下から大勢の人が現れて「待て」と叫んでいますが、黒い服を着た人は印鑑を押してしまいます。』

『すると、空中を待っていた書類は全て燃え、新しい書類が現れます。』

『その書類は日本語ではない言語で書かれていました。』


「そして巫女さんも、グンマ少年と似たような予言を行っています。」


『海の向こうからやってくる人がいます。』

『その人は真っ黒な衣服に身を包んでいて、顔がまったく見えません。』

『その人が持っている鞄には重要な書類が入っています。』

『建物の中で人々が秘密の会議を開いています。』

『机の上に書類が広げられていて、重要な署名がされようとしています。』

『しかし、その署名は多くの日本人の意思に反するものでした。』

『黒い服を着た人が書類を取り出すと、空中に舞っていた古い書類が散り散りに

なって消えていきます。』


「これらの予言は、どんなことを言ってるの?」


「まず、“舞台”は“権力”を、“黒い服を着た人”は“外国”を、“書類”は“法律や条約”の暗示であると言われます。」


「つまり、「権力を持った人がその地位を追われ、これまでの法律や条約といった

ものが意味を失う。その後、外国の圧力で日本は不本意な条約を結ばされる。」と

いうことを2人は予言しているとされます。」


“権力を持った人がその地位を追われ”る…。

私は、2025年7月の参議院選とその後の政界の混乱のことを思い出していた。


「この前の選挙で与党がだいぶ苦しい状況になったけど、なんか予言が当たってる

ような気がしてきちゃうな。」


「ですね!それに法律や条約が意味をなさなくなるのは怖いですよね?」


「そのあとの“不本意な条約”ってのも怖いな…。」


私はちょっと前のいわゆる“トランプ関税”の件を思い出していた。

アメリカのトランプ大統領なら、日米安全保障条約に関して、日本に不利な条項を

押し付けてきても不思議ではないと思った。


「ここまでが、今回の予言の前半部分ですね。ちょっと長くなったので、続きは明日にしましょう!」


そう言うと目津房さんはスキップしながら帰って行った。

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