第2章 冝保愛子の2025年予言 その1

ピンポーン


インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。


「NMKからきました。」


目津房さんだった。


ここ数日訪問がなかったから、また来てくれてちょっと嬉しかった。


「そういえば、“NMK”って何の略だっけ?」


「日本“滅亡”協会ですよー!ちゃんと覚えててください。」


「ごめん、ごめん。」


「とにかく、私の話を聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」


目津房さんは、新しい“滅亡予言”を聞かせてくれるようだ。


「冝保愛子さんって知ってますか?」


「あー、親父から聞いたことがあるなぁ。」


「凄い“霊能力者”だったんでしょ?」


「そうです!1980年代から1990年代前半まで、まさに一世を風靡した方なん

です!」


「私は世代じゃないからあんまり知らないんだけど、親父の話じゃ、オカルト系の

番組では必ず見かけたって言ってたよ。」


「ですが、1995年以降にオカルト系の番組が少なくなると、冝保さんはメディア

出演から遠ざかり、2000年以降に復帰しますが、2003年にお亡くなりになりま

した。」


「あ、もうお亡くなりになってたんだね…。」


「私も世代じゃないので、冝保さんについてはネットで調べた勢なんですが、周りの人から尊敬される人格者だったらしいので、もういらっしゃらないのが寂しい

です…。」


「そんな冝保さんは予言も行っていたって知ってますか?」


「うーん、“凄い霊能力者”ってことしか知らなかったなぁ。」


「でも、予言をしてても不思議じゃないかもねぇ。」


「そうなんですよ。冝保さんは、いくつかの予言を残しているんですよ!」


「へぇ、どんな予言があるの?」


「それじゃぁ、冝保さんの予言については明日お話しましょう!」


そう言うと目津房さんは背を向けて帰って行った。

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