第1章 ホピ族の予言と3I/ATLAS その4
ピンポーン
インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。
「NMKからきました。」
目津房さんだった。
「私の話の続きを聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」
今日は、ホピ族の予言、9つ目の兆候に関する“新説”を目津房さんに披露してもらうこととなっていた。
「“オウムアムア”って知ってますか?」
脈絡なく、目津房さんはいった。
「あー、なんか聞いたことあるけど、何だっけ?」
「人類史上初めて観測された“太陽系外天体”です!」
「2017年に、彗星のように太陽系に現れた、“太陽系”の外側からやってきた天体
です。」
「そのオウムアムアって、“宇宙人の宇宙船”説があるのってご存知ですか?」
「え?そうなの?!」
「そうなんです!ですが、残念なことに、オウムアムアは発見された当時、既に地球から遠くに離れていたそうで、詳しいことはあんまりわかんなかったみたいなん
です。」
「なので、本当に宇宙人の宇宙船だったのか判明しなかったんですよ。」
「へー、そうなんだ。」
「ですが、オウムアムアの発見をきっかけに、2019年に2番目の太陽系外天体である“ボリソフ彗星”が発見され、今年、2025年にも3番目の“3I/ATLAS
(スリーアイアトラス)”が発見されたんです!」
「そんなスリーアイアトラスなんですが、ちょうど今、太陽系にやって来ているん
です!」
「えっ、そうなんですか!」
「地球に一番近づいたのは9月頃だったらしいのですが、10月末頃に太陽に最接近
するらしいんですよ。」
「今はどんどん太陽に近づいているところなので、夜に観測するのは不可能ですが、11月の初め頃には東京でも観測することができるそうですよ!」
「へぇ。機会があったら見てみようかな。」
「残念ながら、肉眼では見えないらしいです。天体望遠鏡があれば見れると思いますが…。」
「残念だなぁ。んで、そのスリーアイズドラゴンがどうかしたの?」
「スリーアイズドラゴンじゃないです!“スリーアイアトラス”です!!」
「ごめん、ごめん。」
「で、ですね、このスリーアイアトラス、奇妙なことが多いんですよ。」
「どういうところが奇妙なの?」
「まず、“発光していた”ことですね。」
「彗星は、太陽に近づかないと発光しないんですが、このスリーアイアトラスは、
太陽から遠い場所でも発光していたそうです。」
「恒星でもないのに光るって、確かに奇妙だね。」
「つぎに、組成成分に“鉄が含まれていない”と思われる点ですね。」
「通常の天体には鉄がいくらか含まれているらしいのですが、スリーアイアトラスは、シアン化物とニッケルで構成されているらしく、まるで“人工的に作られた
合金”のような組成らしいのです。」
「なんか、“人工的に作られた合金”って聞くと、宇宙人が絡んでそうだなぁ…。」
「3つ目が、“説明できない加速をしている”ことです。」
「彗星のように惑星間を航行する天体は、通過する惑星間の重力によって加速したり、減速したりするんですが、スリーアイアトラスには、それらでは説明でき
ない“謎の加速”が観測されたそうです。」
「ますます宇宙人絡みっぽい!」
「そして、最後、4つ目が、“色が変わった”ことです。」
「スリーアイアトラスが発見された時には“赤みがかった”色をしていたのですが、
9月上旬、ちょうど地球に近づいたタイミングで“緑色”に変化したんです!」
「以上のような特徴から、このスリーアイアトラスも“宇宙人の宇宙船”であると主張する人がいるんですね。」
「確かに宇宙人が絡んでそうだよね!」
「ところで、そのスリーアイアトラスは、ホピ族の予言とどう関係してくるの?」
「ふっふっふっ、だいぶ温まって来ましたね?!」
「それじゃぁ、この続きは、また明日ってことにしましょう!」
そういって目津房さんはニヤニヤしながら去って行った。
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