第七話 黒幕の声

その時、スピーカーからノイズ混じりの声が響いた。


「――ようこそ、我が実験へ。古手梨花、そして北条沙都子。」

「君たちはすでに、終響の共鳴に囚われている。」


四人は顔を見合わせた。

その声には、かすかに聞き覚えがある。だが誰のものかは判別できない。


「お前は……誰だ!」圭一が怒鳴る。


返答は冷ややかだった。


「雛見沢の惨劇は終わらない。君たちが“生き延びようとする限り”、鐘は鳴り続ける。」


その瞬間、照明が落ち、地下室全体が赤く染まった。

制御装置の中で、映像が乱れ、梨花と沙都子の未来が次々と“死”へと崩壊していく。


レナが呟く。「……この村は、まだ“祟り”の中にあるんだね。」


梨花は震える身体を立たせ、声を絞り出す。

「いいえ。今度こそ……私が終わらせる!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る