第八話 終響の正体

赤く染まった地下室に、鐘の音が鳴り響く。

そのたびに制御装置に映し出される映像は、梨花の過去の惨劇ばかり――喉を裂かれ、毒で倒れ、信じた仲間に裏切られる無限の死。


沙都子は耳を塞いだ。「もういやよ! こんなの、梨花に見せる必要なんてない!」

しかし梨花は立ち尽くしたまま、決して目を逸らさなかった。

「……これが私の歩いてきた道。けれど、こんなものに縛られてたまるものですか。」


ノイズ混じりの声が再び響く。


「君は否定できまい。繰り返しの中で君が生き延びたのは、“鐘”があったからだ。」


梨花は拳を握る。「違うわ。私が生きてこられたのは……みんながいたからよ!」


その瞬間、制御装置のパネルにヒビが走り、映像が乱れる。

圭一が叫ぶ。「こいつをぶっ壊せば終わるんじゃねぇのか!?」

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