第五話 鐘の音

その夜、四人は眠れぬまま神社に身を寄せていた。

午前二時、再び“鐘の音”が村を震わせる。今度は全員に、はっきりと聞こえた。


ゴォォォン……。


不気味に伸びるその響きは、ひぐらしの声と絡み合い、やがて祠の奥へと吸い込まれていった。

「……中から聞こえる……」レナが囁く。


祠の奥は封鎖されているはずだった。だが、戸板の隙間から赤黒い光が漏れ出ている。


圭一は勇気を振り絞って戸板を蹴り開けた。

中には、地下へ続く階段が口を開けていた。


「やっぱり……隠されていたのね。」梨花の声が震える。

「行こう。ここで逃げても、また同じことが繰り返されるだけだわ。」

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