第四話 遺された記録
夜更け、神社の社務所にランプを灯し、圭一・レナ・梨花・沙都子は、入江機関から回収された古いファイルを読み解いていた。
そこには手書きのメモや断片的な数式、そして恐ろしい一文が残されていた。
「H173が不完全であるなら、時間そのものを制御対象とすべし。」
「名を“終響(しゅうきょう)”とする。」
梨花の背筋を冷たいものが這い上がる。
これは――彼女自身が繰り返してきた“時間跳躍”に関わる記録だ。
「梨花ちゃん……」レナが言葉を探すように呟く。
「つまり、君の力は……ずっと研究されてたってことか?」圭一の声は震えていた。
梨花は唇を噛む。「私が……逃げ続けたせいで、誰かがそれを悪用した。そういうこと……かもしれないわ。」
沙都子は俯いたまま、拳を握りしめる。「……もし、私のせいだったらどうする? また梨花を縛り付けたのが私だったら……」
「沙都子!」梨花は彼女の両肩を強く掴む。「違うわ。私たちはまだ、真実を見つけていない。だから――一緒に探すの。」
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