改造人間狂信者なマスターと適正有魔法少女

物語が完結したのでレビューを書こうと思いました。
作者様、お疲れ様でした。

エピローグに簡単な応援をさせていただきましたので、こちらには気になった点を幾つか。

メインキャラ(主人公とリオン)とそれ以外のキャラに背景差が有りすぎる。
また、展開にご都合が強く感じるものが多かったです。

この物語は魔法少女を舞台とした人間ドラマを描こうとしてると思われるので以上の2点は致命的でした。

描きたい展開や設定が前面に出過ぎてキャラに人形味が有り、それらを感じてしまうと一気に白けてしまう場面が多いですね。

具体的に言えば、田中やリオン姉関連。
リオンの成長を促す舞台装置的キャラの面が強すぎて人間味が薄いです。(劇団関係というもっと酷い人達も居ますが)設定しかないプログラムされたロボットですね。
特にリオン姉は曲がりなりにも姉や社会の希望として光を示し続けた頂点に立つ魔法少女であるかつ恋人との最期的にただの少女でもあるというキャラだと思います。
相応の背景が有って成り立つキャラだと思いますが実際には準最強姉キャラ止まりの薄っぺらいキャラに感じました。
リオンと同じくらい姉と恋人と魔法少女としての葛藤以外にもそれに付随する思い出などが反映されていいキャラだと思います。

そして辺りの背景を全く読まないリオンですね。こちらは展開的ご都合感です。
視野が狭いというか、他者の心を言う程気にしてないように見えるというか……、魔法少女としての強い光なのに託すのこいつでいいんか主人公……って感じでした。大量の一般人(魔法少女、人、両方含めて)と元最強魔法少女殺めて、ただの少女でしかない心をボロボロにしてまで創りたかった物がこんな最後まで掌の上で踊らされる愚物?
リオン自身も魔法少女であることを強調するけど、立ち位置に酔っているだけでは?って思う描写が多かったですね。他の人達の考えられる心情より全て自分本位な印象でした。最後の犠牲の全てを割り切っていそうな所などが正にそれ。いずれより力の強い第2のマスターが現れれば姉と同じ末路ですね。ただの少女では無く、魔法少女である覚悟を決めた人間にしては致命的だと思います。
これではただただ犠牲者ばかりが可哀想な物語、自己満足できたマスターの一人勝ちですね。

大きな不満点を上げるとこうなりますが、これも所詮1感想に過ぎません。
題材として貴重で目を引く良い所も沢山有る物語では有ったので今後の作品にも期待しております。お疲れ様でした。