【投稿】ホームレスが猫に喰われた(?)話

読者投稿コーナー「わたしのまわりの奇妙な話」

「月刊メガラニカ」掲載号:1994年7月号(No.213)


【投稿】ホームレスが猫に喰われた(?)話

茨城県水戸市在住 T.M(28歳・運送業)



これは夢だったのか、それとも現実だったのか。

自分でも正直、どっちだったのか分かりません。


今年の春頃のことです。

ちょうど深夜1時すぎくらい。仕事終わりで市内の飲み屋街の裏手を通って帰る途中でした。

そのへん、たまにブルーシートみたいなので寝てる人とかいて、ホームレスの人がよくいる場所なんです。


で、その日も、いつも見かけるおじさんが横になって寝てるな〜と思って通り過ぎようとしたら、すぐ近くに猫がいたんですよ。大きめな。

だけどなんか、目の光り方が異常で、反射っていうより自分で光ってるような感じでした。


そのときは「なんか気味悪いな」くらいだったんですが、ふと、猫が寝てるおじさんの顔のあたりに近づいてるのが目に入って、足が止まりました。


そしたら次の瞬間、ちょっと説明しづらいんですが、猫の顔が開いたんです。

たぶん、「口が開いた」じゃなくて、「顔全体が裂けた」ような感じ。

そこから出てきたのが、蛸みたいな足(?)で、ビシャッとおじさんの頭に巻きついたかと思うと、そのままズルッと飲み込んだんです。


……気がついたら、そのおじさんの姿がなかった。

猫はまた普通の猫の形になって、ペロペロと前脚を舐めていました。

そして、狭い路地裏に消えていきました。


自分は声も出せず、ただ立ち尽くしてました。

おじさんは猫が顔に近づいた瞬間に「ん…?」て感じで動いたので、そこまではそこにいて、生きていました。


これ、夢だったんですかね?

飲み仲間に話したら、「酔って幻覚でも見たんじゃないの?」って笑われましたけど、おじさん、あれ以来一度も見かけてないんです。


この話、どこかに似たような体験談があったら教えてください。

気のせいだと思いたいけど、今でも猫を見ると、“あれ”を思い出してゾッとします。

猫好きだったんですけど…


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投稿先:〒●●●-●●●● 東京都千代田区●●ビル3F

「月刊メガラニカ」編集部・読者体験談係

掲載号:1994年7月号(No.213)


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編集部より


本誌編集部に届いた中でも、とびきりシュールな1本。

文中にあるように「夢だったのか現実だったのかご本人も判断がつかない」という点がかえってリアリティを高めています。

特に、今回の投稿のように、対象がホームレスである(=失踪が社会的に記録されにくい)事例は、都市伝説と実際の目撃談が交差する極めて稀なケースといえるでしょう。

なお、編集部が独自に水戸市内の路上生活支援団体に問い合わせたところ、

「確かに今年に入って“突然見かけなくなった男性”がいた」との証言が得られました。(もちろん偶然の可能性もあります)

読者の皆様の中で、類似体験や追加情報があれば、ぜひご一報を。


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『熊本民報』1997年6月22日(朝刊)

読者投稿欄:読者の声(くらしと自然)


「山で見た猫と大蛇の争い」

阿蘇郡天草町 匿名希望(60代・農業)

 

これは先月末、天草町内の裏山で見た出来事です。

あまりに変わったことだったので、しばらく誰にも話せずにいましたが、どなたか似たような経験があればと思い、書かせてもらいます。

5月30日の夕方、山菜を取りに行った帰り道、谷側の斜面を下った先で、猫と大きなヘビが争っているような場面を目にしました。

猫は黒くて、少し大きめな体格でした。ヘビはおそらくマムシではなく、もっと長く、胴の太い個体で、2メートルほどあったと思います。

最初は互いに飛びかかったり、睨み合ったりしていたのですが、そのうち猫の様子がどうにもおかしくなりました。

頭が“割れた”ようになり、真ん中から花のように開くと、その内部から何本もの蛸のような触手が広がったのです。

ぬめり気のある、吸盤のようなものが並んだ触手でした。

その触手をヘビの胴に絡ませて締めつけるようにして動かし、最終的には、猫の口からではなく“その裂けた頭部の中央”から、ヘビをずるずると飲み込んでいったのです。

猫の体よりずっと長く太いヘビでしたので、どう考えても丸呑みできるはずがありません。

ですが、のたうち回るヘビは、まるでうどんかなにかのように吸い込まれるようにして消えていきました。

私はただア然として見ていることしかできませんでした。

猫は、全部を呑み込んだあと、裂けた頭をまたスッと閉じると、何もなかったように身を舐めて、静かに茂みに消えていきました。

あれが何だったのか、まったく分かりません。

ただの猫でもなく、ただのヘビでもなかったように思います。

気のせいにしてしまいたい気持ちもありますが、どうしてもあの場面が頭から離れません。

同じような体験をされた方がいらっしゃれば、ご一報いただければ幸いです。


投稿先:〒860-■■■■ 熊本市●●町1-2-3

『熊本民報』編集部「読者の声」係

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