15
昨夜ハイパースペースに突入してから全速力で航行を続けている。最短ルートを選んだため、共和国の主要航路を横切る危険がある。だがパドメの安全を考えると、一秒たりとも無駄にできない。この船のハイパードライブは酷使されている。船体が微かに軋む音が、私の焦燥感を掻き立てる。
今日は睡眠を最小限に抑え、ほとんどの時間を操縦席で過ごしている。手動で船の航路を微調整し、共和国軍の既知のパトロールルートを避ける必要がある。この技術的な作業は、私の心の不安を一時的に鎮めてくれる。
航行中、完成させたエネルギー増幅装置を横目に、手に入れたシスの知識を繰り返し確認した。特にフォースによる生命維持の理論の部分だ。それは、私がパドメを失うという予知夢を打ち破るための唯一の武器だ。
この知識は、ジェダイの教えとは真逆の、感情と意志の力によって生命を操作するというものだ。理論は理解した。あとは、コルサントに戻り次第、実践するのみだ。成功すれば、私は銀河で最も強力なフォースの使い手となるだろう。
遠距離通信を傍受した。コルサント周辺の共和国軍から発信されたもので、極度の緊迫感を帯びた音声が聞こえた。どうやら分離主義者と共和国軍の間で、大規模な衝突が本当に差し迫っているようだ。
断片的な暗号化された情報から、ドゥークー伯爵が依然として共和国の重要人物を標的にしていることが示唆された。これは、パルパティーン最高議長への危険が高まっていることを意味する。そして、議長は私がパドメを託した人物だ。
私の二重の義務が、私を苦しめる。ジェダイとして戦争を終わらせる責任、そして夫としてパドメを守る責任。もはや、この二つは両立しない。
夕方、座席に座って目を閉じた瞬間、強烈なフォースの警告が私を襲った。それは私の目の前で血が流れるというヴィジョンだった。その血は、敵のものではなく、友のものであるように感じた。そして、その血の匂いの中に、私が今追い求めている闇の力の痕跡があった。
私は飛び起きた。この警告は、私がコルサントへ戻るという決断が、さらなる悲劇を引き起こすことを示唆しているのだろうか。私の行動が、オビ=ワンや他のジェダイを危険に晒すのか。しかし、もう引き返せない。私のヴィジョンは、パドメの死から始まったのだ。この警告が何であれ、私はパドメの元へ行かなければならない。そのために私はこの力を手に入れたのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます